ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

そうして初歩的な失敗をする

Cat

短歌の授業はこの前終わりましたが、それについての生徒の振り返りや感想整理中。

その感想を見ていて初歩的な失敗をしていることを突き付けられてへこみ気味。

色々と準備はしたんだけどね……。 

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上で紹介していること以外にも色々とやってはいたんだけど…

やっぱり生徒にとって「苦痛」だった

創作をするときに一番苦しいことって何か。

それは、自分だけが言葉を見つけることができないで、ずっと頭を悩ませることだ。もちろん、頭を悩ませる時間を持てることはぜいたくなことであるし、楽しいことであるのだけれども、言葉が出てこないことや語ることが見つからないことの苦しさを生徒に強要するのは、筋が違うように感じる。

どうして作文が嫌いなのかと言えば、「何を書いたらいいか分からないから」と答える子どもはそれなりの数がいるように感じる。嫌いじゃないとしても、「何を書いたらいいか分からないから上手く文字を埋めることだけは得意だ」という子どもはいる。

自分だって「国語の先生でしょ?だからちょっとこの文章書いておいてよ」だとか「生徒の推薦書を書いてよ」だとか言われても、それは苦痛で面倒な仕事であるのは間違いない。

それだけ「書くことがない」ということに対しては注意深く考えていたつもりだし、そうならないような手立てを準備していたつもりだったのだけど、それでもやっぱり生徒からの感想に「なかなか思いつくことがなくて辛かった」と書かれた。

やっぱり慣れない「短歌」という形式に当てはめた創作を求めたことで、かなり苦戦を強いることになってしまったようだ。

このコメントを書いてきた生徒が、普段、国語が得意な生徒だっただけに、自分としてはダメージは大きい。

書かせたいと書きたいが重ならない

一番の失敗は生徒にとってやはり短歌の創作は降ってきた課題であって、自分たちにとって手応えのある取り組んでみたい課題ではなかったということが大きいと思う。

どうしてもカリキュラムは前後左右の都合で自分の自由にはできないところは多分にあるから、ここで短歌の指導をするのは規定事項だった。

ただ、その方式として創作をやることは教える側の都合であって、決して子どもにとっての必然的なことではなかったし、意味がある行為であると感じてもらうことはできなかった。

結局、自分の書かせたいという先走った考えがあって、そこに生徒を従わせることになっていた。しかも、比較的、導入はいい加減で、やるったらやるという強引さはあったのだろう。

まあ……生徒のほうから「短歌を書きたい」という気持ちが出てくることを待っても自然に出てこないことを考えれば、丁寧に導入をしなければいけなかったよなぁ…。

短歌を朗読してみせたり、色々と紹介してみたり……色々と触れさせようはあったんだろうなぁ…。一応、俵万智の本に倣って、自分の好きな歌詞で定型に慣れ親しんでもらったりはしたけど……。 

短歌の作り方、教えてください (角川ソフィア文庫)

短歌の作り方、教えてください (角川ソフィア文庫)

 

もっと作品を掘り下げなければダメだったよなぁ……。プロの作品のすごさや面白さを十分に考えさせる前に創作に入ったのが失敗だったよなぁ…。

力になったという実感が生徒にない

国語が得意で勉強が得意な生徒から「考えるのが苦痛だった」と言われたのは、なかなか重い事実であるのだけど、それと併せて「今回はあまり進歩した感じがしない」だとか「あまり勉強を家出しなかった」だとか勉強に対する後ろ向きなコメントが多いことも気になっている。

要するに創作という活動と、どんな力を伸ばすのかということが見通しを持てていないことや、何を自分がしているのかということをちゃんと理解しながらやっていないとうことが大きい。

そうなると学習の導入や手引きの作り方を考えることになるんだろけど、これも前項で書いたけど、プロの作品を掘り下げるのが甘かった。継続的に読み聞かせて紹介したり、自分が創作する過程を見せたりだとか……色々と手段はあった。

しかし、本当に、受験とつながりが見えないというだけで、ここまでモチベーションや勉強への取り組みを損ねるとは思わなかったし、逆に言えば、普段の授業をそういったもので釣っている自分の授業だったのか?そうならば非常にショックだ。

いずれにしても……失敗したなあ…。

もっと、本当に、初歩的に……彼らの言葉を拾い上げることに愚直でなかったのが、傲慢だったのかなぁ…。

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