ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

悪だくみ

ICT - Keyboard and Mouse

これから書くことは個人的な悪だくみです。

まあ、新しいものを使って硬直化しているところをほぐせないかなぁという程度の話です。

数字で成果を示すなら

嫌なことをいうけど、周囲の納得を得るためにはどんな理屈をこねるよりもわかりやすい数字の方がいい。特に、信仰宣言合戦で終わるような職員会議に付き合わされる手間を考えると、圧倒的にわかりやすい数字を出して説得をしてしまうのがいい。

つまり、学校という場であれば(特に中途半端な進学校であればあるほど)、模擬試験や考査の数字を向上させることが手っ取り早い。

で、さらに嫌な話をするけど、平均点をわかりやすく向上させて見せるなら、上位を伸ばすよりも中・下位を伸ばすほうがラクだ。

ただし、教員のほうにその準備がない場合は多い。というのも、成績上位を伸ばすのであればある程度一斉授業で対応できるが、成績下位の層を伸ばすには一斉授業は相性が悪い。単純な話で、生徒の方が勉強が得意であれば対応できる幅は広いけど、苦手であれば対応できる幅は狭いというだけの話だ。得てして、勉強が苦手という理由は生徒によって千差万別あるのだが、その千差万別に対応できるほど教員の手札も時間も多くはない。

苦手の対応はしやすいけど、ピンポイントでやらないと効果が上がりにくいからかなり手間がかかる。そうなってくると物理的に手が回らないから、同じ範囲を一斉に補講する……という形になりやすいが、それだと結局、苦手のニーズには合っていないので、労力ほどの結果は残るまいと思う。

なお「そんな労力を使うなら上位層を伸ばすべき」という議論をする教員は少なからずいるけど、そういう教員に限って授業で苦手を量産しているのは気のせいだろうか。

まあ、そんなわけで、教員の仕事の成果を数字で示すなら、苦手な子にアプローチして模試の平均点を上げるのが手っ取り早いだろうなと感じる。

教員はICTを嫌う人は少なくないです

半径二メートルの話なのであまり説得力は考えていないけど、教員はICTを嫌う人は少なくない感覚はあります。

例えば、動画の授業などを用いて勉強することに対して「そんなんじゃ実力つかないよ」とか「そんなことをするまえに授業をちゃんと受けて宿題をやれ」とか言ってとにかくICTを使わせたがらなかったり鉛筆とノートでがりがりとやるのがいいと思っている節があります。※個人の感想です。

まあ、理由としては自分がそういう形式で勉強してこなかったということは大きいのだろうと思います。

自分も動画を使って勉強するのは意志が強くないとキツイだろうなぁと思っています。これは自分がやってみてもよくわかる。 

s-locarno.hatenablog.com

結局、見るのが溜まる……。パソコンを立ち上げたりするのが案外ボトルネックになるんだよね。モチベーション高くない講座だと。

実際、自分のクラスの生徒でスマホの動画授業を受けている子に話を聞いてみても、せっかく動画を使って勉強を始めても継続できていないということははっきりしています。

だから、動画授業に丸投げして「問題は一件落着」とはいかないし、動画を見るのをサボっているのを「やる気がないからダメなんだよ、こいつは」なんて話にしていくのも、生徒の忙しい生活からすれば仕方ないかなと思うわけです。

そうしてそんな雑な扱いをして押しつけた動画授業に対して「ほら、みたことか」と雑な総括をするのもICTが嫌いな教員のよくやることですね。

運用の設計を少し考えるだけで

でも、逆に言えば「動画の視聴を継続できる」という点を確保できれば、個別のニーズに柔軟に答えられるICTを活用した補習は効果が上がるだろうなぁと感じるわけです。

先述の通り、本来、集団全体の平均値を伸ばすには苦手だという層を底上げするのが手っ取り早いのです。しかし、その底上げするためにはニーズがバラバラ過ぎて教員の側からすればニーズに応えるのが難しく、現状としては雑な補習の仕方や生徒任せの学習のさせ方になっている部分は少なからずあるわけです。

だからこそ、苦手な層にこそICTを活用する活路があるんじゃないかと思うのです。

ただ、モチベーションが高くないのに動画を視聴することを丸投げしてもダメだろうなあというのは言うまでもないわけで。

そこに教員が積極的にかかわる余地があるのだと思うのです。まあ、どんな仕組みにするかについてはいくつか考えはある。本当はスマホで動画などの扱いには慣れているはずの生徒が動画だけは続かないというのは設計の問題は大きかろう。

生徒は動画に適応するのは速いだろうけど、問題は教員の方だ。だから、生徒を管理する名目で一緒に動画を見る……という時間を続けないと上手くいかないんだろうなぁ。実際に動画を見ていけば、授業での使い方のイメージもわいてくるのだろうし、二年、三年というスパンで考えていけば、授業→宿題→授業…というスパンも見えてくるのかね。

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