ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

RW終了!これからだというのに…

Reading

本日で三学期にずっと実施してきた週一度のリーディング・ワークショップが終了!

全部で7時間分でしたから、授業数からすれば全体の30%くらいはRWに充てた計算になります。

終わってみれば多かったような少なかったような……

時間と場所があれば

これだけ多くの時間をとって読書させて、生徒が飽きたりだらけたりしないのだろうかということは、多くの方が疑問に思われることかもしれない。それに対する自分の答えとしては「環境が整っていれば大丈夫」というものだ。

つまり、環境の条件として、

  1. 全員が例外なく読書に取り組んでいること
  2. 十分に読む本を選ぶことができる環境にある
  3. 読む本を生徒に任せる

の三点があれば、日によって多少のムラや取り組みまでの時間のばらつきはあるものの、多くの時間は集中して読書に没頭してくれる。

集中して、没頭なんて言い方をすると50分まるまる集中しているようなイメージを与えるかもしれないが、生徒の様子を眺めていると、平均するとたぶん30分くらいが集中のピークだと思う。

もともと、読書の習慣のないような生徒もいたことを考えると、30分程度はしっかりと本以外のことを考えないで読書に取り組んでいる様子は、なかなか新鮮であると思う。

実際、リーディング・ワークショップの先行文献を読んでも、ワークショップの中で「ひたすら読む」時間は30分くらいの設定が多いが、集中することにエネルギーがかかっていることを思えば、妥当な感じはする。 

読書家の時間: 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

読書家の時間: 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】 (シリーズ・ワークショップで学ぶ)

 

集中力が続かないときは、生徒の方が自分から読んでいる本をやめて別の本を探せる環境にあるのも集中した読書を支えているように思う。だからこそ、図書室で実践したことに大きな意味があると思うし、図書室という環境が読書を促していた側面は大きい。

ミニレッスンとカンファランス

結局、7回においてこの二つは全然自分で手ごたえが分からなかった。

もう少し、継続して長いスパンで見ていかないと変化を捉えることが難しいし、そもそも「よい読書とは何か」という問いが子どもたちの中に芽生えるためには、平均的な読書体験の量がおそらく足りない。

本を読むことが比較的娯楽と結びついていて、本を読むことよりも優先したいことがあるという状況では、自分の読書を点検していくという発想にはややなりにくい。

もう少し、ミニ・レッスンやカンファランスの効果や意義を理解するためには継続的に指導していかないとダメかなあと感じる。少しずつ、カンファランスの感触は分かるようになってきたところだけど、その働きかけがどんな意味を持っているかが見えない。

自分の読書量を思うと…

生徒の読んでいる本を聞いて回ったりしていると、自分が読んでいない本が非常に多い。生徒にとって良い本をたくさん知っていることや生徒の読んでいる本に深い理解を持っていることは、カンファレンスをしていく上で重要なことだとは思うのだけど、生徒の数に対して自分の読書量が全く足りていない。

せめて、図書室でやるのであれば図書室の本を一通り目を通すくらいの準備が必要なのか……と思ったものの、さすがに5桁もある本を目を通すのは厳しい。

ここは割り切って、読んだことのない本は生徒に教えてもらうことや生徒にどんな内容化を尋ねることで自分が勉強することにするしかないし、読んだことがない本であっても読みかたであるとか、読んでいるときの生徒の様子は案外見てわかるので、反省はしてもあまり困ったという感じはない…。

まあ……生徒におすすめを聞かれた時が一番つらいのですがね…。向こうからこちらに開いてきているのに、本当にぴったりくる作品を薦められている自信はイマイチない。難しいものです。

読書の文化が少しずつ…

生徒と話していて思うのが、RWの影響によってクラスに読書の文化が少し芽生えているような感じはある。

例えば、小さいことならば、図書室の貸出冊数が増えたことや多くの生徒が読むかは別にしても鞄の中に本が入っていたり、書店でランキングを目にするようになったりという具合に、本に触れる時間が増えていることもあるし、中には「シリーズものを読み切って友達とシリーズについて話す予定だ」というようなつわものも出てきた。

少なくとも、週に一度本を読む時間ができたことで、普段読めない本が読めるようになっている様子は見える。

とにかく生徒は忙しい

それと並行して感じるのが、RWをやらなければ生徒は、人によっては、ほとんど本が読めないくらいに時間がないということだ。

www.j-sla.or.jp

この調査結果で高校生の不読率が5割程度あることもうなずけるくらいに、生徒は読書したくても時間が取れないでいる。

カンファランスでページ数をメモしているからわかるけど、RWで読んでいる本を家ではほとんど読めないという生徒が3分の1くらいはいる。

もちろん、バリバリと本を読んでいる生徒は少なからずいるけど、読めない状況にあるということは知っておくべきだと思う。せっかく、本屋に行ってみたり書評を探してみたりという生徒が出てきている一方で、本を読む時間がないのはあまりにシビアな話だ。

生徒からの振り返りはまたのちほど…

生徒の振り返りを書いてもらっているので、どんな結果になるかは楽しみです。

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