ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

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【書評】与えるのか奪うのか―自分のマインドセットを変えることの重要性

Take off

教員の仕事をしているときに、自分は常に何かを与えているという気持ちになっていませんか?

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ

  • 作者: アービンジャー・インスティチュート,中西真雄美
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2017/08/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「管理しない」ということに惹かれて買ったのだけど、むしろもっと別のことに意味のある本であった。

他人を変えようとしていないか

この本のもっとも重要な考え方は「内向き思考」と「外向き思考」に分けて、自分の小さな箱にとどまってしまう「内向き思考」から自分に関わる人たちの利益を実現するために動く「外向き思考」へとマインドセットを変えていくことだ。

「内向き思考」は自分の立場や都合からしか現象を見ずに動いてしまう。そのため、結果的に他人を必要以上に管理したがったり自分の意見を強制したがったりと何かすればするほど周囲を疲弊させてしまうし、自分にとっても大きな損失を生み出してしまう。

「外向き思考」は相手の立場や利益を考え、関係者のメリットを考えるからこそお互いに信頼を深め、相乗的にメリットを深めることができる。もちろん、口先ばかりのメリットでなく、その根本には相手を信頼して大きな仕事を任せたり相手の考えをじっくりと聞いたりと、我々が無意識に他人を見くびってしまうような態度を必要があり、かなり丁寧に自分のことを見直していかないと実現することは難しい。

教育の話も少し出てきます

本書は基本的にはビジネス書なのでビジネスの成功事例が中心に書かれていますが、一部に教育の事例も書かれています。

それは問題行動を起こす生徒に対して高圧的に説諭する教員が上手く生徒を理解することができず、生徒の問題行動を御すことができなかったのに対して、生徒理解を優先し、生徒に行動を合わせて生徒の意志を優先していく「外向き思考」のアプローチで改善していく……というものだ。

もちろん、成功事例の紹介なので分かりやすいストーリーに仕立てられて脚色されているだろう。しかし、生徒に対して「生徒を理解する」という当たり前のアプローチを当たり前にすることを思い出すにはよい事例の紹介だ。

ここから学ぶべきことは「教員は外向き思考のつもりで内向き思考になっていないか」ということだ。

教員の内向き思考体質を思う

内向き思考とは、自分の立場や自分の組織の都合によって他人をコントロールしようとする志向のことを言う。

さて、教員は「与える」仕事をしているか、それとも実は「奪う」仕事をしていないか。

教員が生徒に対して色々な指導をするのは、生徒の発達段階に合わせて色々な側面を考慮して慎重に行うものだ。その判断基準や評価基準はあいまいに見えるかもしれないけど、誠実な人が行うものは一貫して不公平感はないものであるはずだ。

しかし、ここで注意しなければならないのが、「生徒指導」ということが油断すると簡単に本末転倒になりやすいということだ。

つまり、誰が何のために作ったかよくわからない「校則」を守らせるための指導を生徒指導と呼び、学校という組織にとって都合の良いことを教育と呼ぶようになりやすい。

教員は「与える」仕事か。

本来であれば、生徒に対して様々なメリットを贈る「外向き思考」で行われるはずである。

しかし、一度、主客転倒してしまうと途端に「内向き志向」になってしまいやすい。例えば、次のようなことをいう人が近くいないだろうか。どれも「自分の都合」から生徒を管理したいという極端な「内向き志向」の表れだろう。

  • 注意したのに言うことを聞かない生徒に腹が立つ
  • 説明したのにまったく理解を示さない保護者はモンペだ
  • 教えたことが全く定着していないのは生徒の怠慢だ
  • 生徒のために仕事をしているのに評価されない
  • 子どものためのことなのに、ぜんぜん協力してくれない

こうして文にしてみるといかにも傲慢だ。でも、平気でこういうことをいう教員はいるでしょう?

さて、再度質問だ。

教員は「外向き思考」で生徒のために、生徒の立場を活かす与える仕事か。

それとも「内向き志向」で生徒からあらゆる権利や自由を奪うのが仕事か。

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