ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

苦闘する読書

Annoyed

本日で考査前のリーディングワークショップがすべて終了。

やっぱり…というべきか、集中の悪さを感じた一日でした。

大多数の生徒は読書に没頭して楽しんでくれていると思えるのですが、本当に全員を読書に向き合わせることができない難しさを感じます。

読書の優先度の低さ

ここ数日の記事で何度か書いているのですが、今回のRWでは読書に対して少なからず集中できない、読書をしたくないという態度の生徒が見られました。

www.s-locarno.com

これは生徒が授業に対して反発しているだとか読書が嫌いだとかそういう話ではないです。むしろ、どうにかして考査でいい点数を取りたい、模試の偏差値を伸ばしたいという向上心がある子どもたちです。まあ、手段が正当か、状況をきちんと分かっているかと言えば、自分勝手で周りが見えているとは言えないのだけど、それでも、彼らの必死さは理解できるものであり、頭ごなしに「自分勝手なやつはダメだ」なんて言っても全く意味がない。それは彼らに心底、嫌な思いをさせるだろう。それは自分の本意ではない。

しかし、自分としたって「自立した読書」ができるようになることの価値を、無条件に、こういう言い方も尊大だけど、「たかだか入試程度の話」のために、後回しにされたくはない。

「たかだか入試」と入試を受けない自分は言ってしまうけれども、生徒の方からすれば、そんな言い分は受け入れられないだろう。学年集会で、全校集会で、口を開けば「受験、受験」と言っている学校で、「たかだか入試」なんて言ったって、「お前は何を言っているんだ、ふざけるな」としかならないよね。

そんな状況で、しかも考査前に「じゃあ、読書の時間をしましょう」なんて言っても、まったくカリキュラムというか指導方針としての一貫性は生徒に伝わらないだろう。

他の教科がこぞって「自習」にしている(それこそ6分の5くらい)中、のんきに「読書しましょう」といって、しかも「読書」以外許さないなんて言っても、そりゃあ……勉強させろって思うよなぁ…。

睡眠時間が足りてないんじゃないかな…

これは余談ですが、今日のリーディングワークショップは寝落ちの生徒が続出。午前中の授業での出来事なので、これはもう単純に考査の勉強に追われすぎて夜更かしが過ぎていますね…。

でも、月曜日の午前中からぐっすり……ってのは、健全ではないよなぁ…。

それでも、と粘り強く

愚痴っぽい書き方になっていますが、自分の結論は決まっています。

「こんこんと粘り強く意図を説いていく」ということに尽きます。

やっぱり「たかだか入試」のためだけの授業をしているわけにはいかないのです。問題演習や解き方のテクニックのために、つまりは、学校の外に出てからは何一つ役に立たないことのために彼らの時間を奪うわけにはいかないと感じるのです。

彼らの直面している現実として「入試」の圧力は重い。自分も学校に勤めている以上、学校の方針に対して反旗を翻すわけにはいかない。仕事である。そして別の学校に出ていく縁も今のところない。勝手なことばかり言ってはいられない。

やっぱり、自分にできることは、ただ目の前の生徒に対して「自立して読書すること」の意義を伝えていくだけである。ちゃんと伝わっている生徒はいるので、いいんじゃないかなと思う。

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何度でも、そして焦らずに、「自分で本に没頭できること」の意義を伝えていきたい。

たぶん、当面はカンファランスとミニ・レッスンで話すだけですが。叱ってやらせるのはカンタン。でも、やらせることに意味はない。できることや納得できることに参加してもらうしかないかな。

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