ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

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リーディング・ワークショップは暇つぶしではない

Reading

高校2年生のこの時期にリーディング・ワークショップをやっているせいか、「どうやら現代文は時間が余っているらしい」という見方をされているようである。

どうもRWを、図書室に生徒を放っているだけで手抜きをしているのではないかとみられている節がある。

確かに頻度は多いけど…

現状、週3回の授業のうち、毎週1回をリーディング・ワークショップに充てている。三学期の授業日数的には、どのクラスも都合7回くらいの実施になる予定である。

確かに、授業数の3分の1を図書室での授業に充てているので、他教科…どころか同じ国語科からしても、かなり「授業をしていない」というように見られるのだろう。

生徒は学級日誌には元気よく「今日は読書の時間がよかった」「読書の時間でじっくり読めた」「本を読んで楽しかった」などなど書くので、どうも周囲からは遊ばせているように伝わりやすい(笑)。

いやぁ……意図は説明はしているんだけどな、周囲には。しかし、まあ、伝わりにくい。

特に今は受験関連で授業が少なかったりするので、何だか読書の時間ばっかりに見えるクラスもある……のか?読解の「こころ」の授業の方も何だか読書っぽいので、なお、読書のように見えるのか?

しかし、周囲が思うほどに、授業をしている立場からすれば、簡単に気軽に実践できている訳ではないということは言っておきたい。

リーディング・ワークショップのためのハードル

授業をRWにするためには、それなりに覚悟をしているつもりである。なぜなら、勤務校の性質上、「受験」という二文字からは逃れることは出来ないし、周囲だって受験指導をすることを期待している。それどころか生徒たちだって受験指導を期待している部分が少なからずある。

切ない話ではあるけど、そんな周囲のニーズに対して、それでもね、とちゃんと説明して納得してもらえるだけの理論武装は必要である。

理論武装したところで、理屈通りにいかないで子どもたちの能力を伸ばすことができなかったときに、無為にしてしまった時間が大きくなってしまったら、その取り返しのつかなさを想像するだけでも、結構、精神的にはキツイ。

回数としては多いのだけど、「生徒を自立した読書家に育てる」という根本的な方針を見失わず、読書を継続的に読書を実践していくためには、週1回というのがギリギリのラインだろうと感じる。そのために授業のバランスを取ることが非常に難しいし神経を使っている。雪が降って休校となった日にはダメージが大きすぎる。

学級閉鎖もあるし……うーん、この時期にねじ込んだのが失敗な気もしてきたよ。

ただの放牧にならないために

リーディングワークショップをただ生徒を図書室に放牧することではないと言える一番の特長は、ミニ・レッスンとカンファランスだろうと思う。

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何はともあれ自分がミニ・レッスンで生徒に話したのは以下の内容。

  • 読者の権利十か条
  • 精読以外の読書の仕方
  • 自分に「適する」本を選ぶ方法
  • 日本十進分類法(NDC)
  • 本の種類と内容の特徴
  • 司書さんの役割
  • 読書記録の付け方
  • 並行読書の勧め
  • 積ん読の勧め
  • 優れた読書家の技法
高校におけるリーディング・ワークショップ実践~振り返りその2・ミニ・レッスン~ - ならずものになろう

この程度のことを「指導」と呼ぶのか……と言われるかもしれないけど、図書館の使い方や読書の仕方とは教わることがない。そのせいで、生徒の中には、本は嫌いでも読むのをやめられない、頭から順番に読むしかない、だから読書なんてつまらなくて嫌いだ……なんてことも、よく起きている訳です。大切です、本当、こういう読書の方法を教えることって。

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さらに重要なのが読書の時間の時に一人一人と会話していくカンファランスです。生徒一人一人のニーズに応えていくこと、指導していくこと、評価していくことを同時に行っているものです。たぶん、これがリーディングワークショップの急所だと思う。

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秋に実践したときの感想だけど、読書への「安心」を保障する役割は大きい。

しかし、それだけに指導者の仕事はキツイ。一人一人に対しては1~2分程度の会話ではあるのだけど、生徒相手とは言え、色々な話を聞いていくというのは精神的にかなり疲労する。また、上手く話せない責任はこちらにあるわけで、カンファランスで上手く引き出してあげるためにはかなり研究は必要です。ま……この辺りは自分の性格が災いしているのだとは思うけど。

自分はカンファランスが苦手ということもあって、授業で振り返りを書いてもらいますが、それは全部、Googleスプレッドシートに転記します。かなり手間が掛かるのだけどそれを見て生徒に対するカンファランスの内容は決めます。もう…苦手なのでとにかく情報量で押すしかできないんです、自分は。今年はiPadを買ったので去年よりもラクしています。

それでもうまくできないので、まあ……今後の課題です。

本当、カンファランスは難しい。自分と生徒の普段の関係もあるし。割り切ることも難しく。

意味はあると信じている

愚痴に近いことを書きましたが、効果はあるはずだという確信は去年もやっているので、一層、今年は思っている。

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そして難しいところだけど、RWはかなり指導もきちんとする授業なんだとも思う。授業準備に時間は確かに少なくなっているし、授業で動いている割合は一斉授業よりは減っているかもしれない。

でも、ミニ・レッスンの準備やカンファランスの準備や授業記録の整理には、かなり時間が掛かる。本当に、一人一人の違いを認識させられる。

授業で得られる生徒の情報が飛躍的に増えるということ。そのこと自体が、非常に重要なことなのだと思うし、その情報をいかすためには、やはり「指導」ということになってくるのだろうなぁ…。難しいね。

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