ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

【多賀一郎×苫野一徳】信頼を実現する学校に必要なものは何か、その①

本日は多賀一郎先生と苫野一徳先生の二人会でした。

以前に書評を紹介した『問い続ける教師―教育の哲学×教師の哲学』についてのお話が聞けるイベントです。

www.s-locarno.com

こくちーずでイベント開催がアナウンスされると一瞬で満席になる人気ぶり……たまたま苫野先生のSNSの投稿を見ていたので申し込みに成功しまして、参加してきました。

とても充実して情報の多い会であったので、その一部をご紹介します。

※思いのほか長くなったので、二回に分けます。

第一部 多賀先生「教師の力量形成」について

最初は多賀先生から「教師の力量形成」についてのお話がありました。

最近のセミナー事情

最近は辛辣なことを言いがちであるという多賀先生。先生のお話を聞くのは今日が初めてでしたが絶好調でしたね!

まずは、最近のセミナー事情についてかなり辛辣なコメントから今回の会がスタートしました。

セミナーの目的が高揚感やカタルシスを得ようとするものになっていないか

アクティブラーニングはもやもやして帰るものではないか。深い学びのためには、もやもやが必要なのではないか。

セミナーに来ている人に対していきなりここから始めるのか!(笑)。もちろん、今日来るような人はそうじゃないでしょうけどとは言っていましたけど(笑)。

逆に身近なアイドルに会いに行くような感覚の人がいるのではないかと感じる

自分の中に課題意識があり、目的意識があるときにセミナーにいくものではないか

なかなか強烈です。

お手軽に色々な世界とパソコンやスマホがあれば参加できるだけに、この目的意識という部分は薄れやすいかもしれない。というか、名前につられてホイホイと出かけて行っている自分がまさにこれ。

正直、今日の会については目的意識はない。気分転換という意味合いが大きい。

あぁ…まさにカタルシスを求めるようなパターンですね。

何を目指すのか。

一流教師なんて目指してもダメ。多様性の時代の教師はバランスではないか。マルチプレーヤーであることの大切

徐々にここから力量形成の話に。

当たり前の学校の先生か?

これがまた痛い。学校の年齢層がいびつになってしまっている現状において、「当たり前」ということが非常にしんどい時代である。だからこそ、百戦錬磨の方に当たり前と言われることはなかなか重い。

子どもの前に立ち、正面から子どもの問題を解決するために力量形成する

子どもたちのしんどさ、どうにもしてやれないことを、乗り越えていくために、力量形成が必要なのだとおっしゃっていました。

以下、年代別の成長の仕方やマインドセットについてのお話がありましたが……まあ、自分が適当に要約したものを紹介すると誤解されそうなので、詳述するのは避けておきます。

要点だけ拾い上げると…

  • 20代は素直さが大切。将来の糧として全部大切。
  • 30代は無茶苦茶する時代。時間の使い方大切。
  • 40代で迷う。色々、変わって迷う時代。
  • 50代でリフレーミングは大切。

自分はまだ30代ですが、教員5年目ということもあって、実質的には20代と経験値は変わりません。そんな自分はどう考えればいいんだろう。

20代ほど素直になれない頑固さがあるけど、無茶苦茶出来るほどの経験値もない。まっすぐ歩いてこなかったツケともいうけど、別のアプローチができるかもしれないと思ったりもします。でも、素直になるんで優しくしてください。まだ初任研レベルの経験年数なんです。

力量形成と読書

本に対する感想などを書かない人は理解できない

→買っただけで満足しているだけではダメという話。

まあ、自分もよく本を買いますが、全部に感想を残せているわけではないので、反省するところです。

力量形成の本を読んでも力量形成はできない

実際に実践をしなければ力量形成はできない。ということです。

しかし、それは無意味ではない。大いに無駄をしておくことが必要なのだと。

普通の読書をしましょうということもおっしゃっていましたが、先生が今日紹介されていた本も面白いものが多かったですね。

奇妙な論理〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか (ハヤカワ文庫NF)

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「女の子」は学校でつくられる

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知っていたのはこの二冊だけ。うーん…精進が足りなかったな。

質疑応答

教師にとっての当たり前ってなんでしょう

一番大切なこととしては、新しいことに飛びつきそうになる前に、自分の目の前の子どもたちをみて、何をやるか考えていく。ものすごい効果のある実践はものすごいダメージを引き起こす可能性のあるもの。ちゃんと自分の教室の子どもをみる。

もっと国に教員養成や教員形成について求めたいことはなにか

→学校現場でOJTが成り立たなくなっている。取り出して研修していかなければいけない。退職されたベテランが若手の指導を行うが、ベテランは若手が直面する問題を理解できない。初任者指導者を養成する資格を作ることが必要なのではないか。教師である必要はないのではないか。

ダメな先生を放っておけるに放っておけない

→多賀先生くらいの立場にいると、上からの指導になるのであまりしつこく言えないことも多い。実際の現場の主力の年齢の人たちは頑張ってぐちゃぐちゃやってほしい。

学び重ねてきた先生の言葉の重さ

多賀先生のお話を聞くのは今日が初めてでしたが、節々から現場で培ってきたことの重みを感じます。

現場のどうにもならなさもよく分かっているからこそ、きつい言葉で勉強しなければいけない、満足していてはいけないということを強く言うのだと感じます。

この境地までたどり着ける人はどれくらいいるのでしょうね。

まずは、本当に、あたりまえの教師に、たどり着けるのでしょうか。少し自信はありませんが、目の前にいる生徒のしんどさをどれだけ背負っていけるのでしょうか。

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