ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

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今週の東洋経済がなかなか…

anger

dマガジンで色々な雑誌読み放題で定期購読している。

magazine.dmkt-sp.jp

んで、そこで見つけたのが今週の『東洋経済』の特集。

週刊東洋経済 2018年5月12日号 [雑誌](AI時代に勝つ子・負ける子)

週刊東洋経済 2018年5月12日号 [雑誌](AI時代に勝つ子・負ける子)

 

もうタイトルから扇動的である。別にビジネス誌であるから目くじらを立ててもとは思うが……。

そろそろAIと読解力をつなげるのやめないか?

この手の話題に喜んで出てくるのがあの人ですね。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

過去に自分も、まあ、批判してもしょうがない(というか、データ少なすぎて議論しようがない)ので、当たり障りない書評を書いてます。 

www.s-locarno.com

しかし、根本的に大きな問題として、「読解力」や「文章を理解する」とは何かということについての理解や国語科などの学習指導要領で何が行われているかも理解していないかのようなのである。

リーディング・スキルテストについても、例えば素朴な話として「スキーマ」を使って文意を理解しているような事実についてどう考えているのかなども見えない。

例えば

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

 
ことばの発達の謎を解く (ちくまプリマー新書)

ことばの発達の謎を解く (ちくまプリマー新書)

 

くらいの本を読んでも、反論できそうなことが説明されていないし、どうもそれについて説明するつもりもないらしい。

もう少し、専門的にツッコんでいる記事としても

rochejacmonmo.hatenablog.com

www.watariyoichi.net

mywarstory.tokyo

といった具合に反論も目立ち始めています。

もちろん、専門的には論文で議論が行われればよいのですが、そもそも、議論の以前にこうやってマスコミに既成事実のように出張るなら、こういうネットからの反論を受けるのもしかたないところだろう。

ちなみにその人からは私、Twitterブロックされているので何を今考えているのかさっぱりわかりません。

さて、話が脇に逸れましたが、本題は「AIに仕事を奪われるという話とリーディングスキルテスト」を結びつけるのは、そろそろ教育現場は疑うべきじゃないの?ということです。

リーディングスキルテストについても信頼度は「?」ですし、AIに仕事を奪われるのではないかという話も反論が出てきていますし、何でもかんでも安易に読解力や国語教育のせいにされても、まったく建設的ではないのです。

特に気になったのが戸田市の事例について「RSTと学力テストの結果にはばらつきも」なんて記事があり、こんなことが書いてある。

係り受けと推論のRSTの結果と学力調査結果を比べると、RSTの結果は悪く、学力調査での成績は高いという生徒も見られる。この事例について新井主事は、「学力テストの文章をきちんと理解せず、テクニックに頼って問題を解いているのだろう」と分析する。(P.27)

とあるが、このコメント、あまりに酷すぎないですか?

「文章を理解してないのに問題はテクニックで解けます」って主張は、統計だとかAIだとか振り回して他人を威嚇しているのに、都合の悪いデータは子どもが悪いって解釈って酷すぎやしませんかね。

他にも不誠実な記述が多い

今週の東洋経済は全体に不誠実な記述が多い。

例えば慶応大学の鈴木寛先生のコメントで

大学入試の2次試験で記述問題を課すのは東大や京大、慶応など一部の大学に限られる。日本の大学の6割は記述式問題で入試をしていない。(P.29)

という記述があるけど、これを読むと、国立私立の別なく、全然記述問題を出していないようだけど、大きな誤りである。

国立大学はほぼ例外を除いて、記述問題ないしは小論文や総合問題である。厳密には、「東大や京大などを初めとした国立大学全ては記述を課し、慶応などの一部の大学を除いて私立大学は記述を課さない」が正しい。国立大学とは比べ物にならない数の私立大学があるので、引用部のような書き方をされたら、そりゃあ、6割は記述課さないことになりますわな。

引用部のように書くと、国公立大を無視して慶応だけ別格にしているのをとても作為的に見えてしまうわけです。

こんな調子で、各業界人のコメントがとくに根拠がある訳ではなく並べられるのである。

頭がくらくらするような感覚もあるが、これが教育に向けられている視線なのだと理解しておくことも重要なのだろう。

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