ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

誰のための?

Who

大雨の影響で生徒もテンションが低いし自分の方もイマイチ調子が上がらない。そんな時に限って見たくないものが見えてきてしまうものである。

色々とやらなければいけないという危機感は分かるんだけどなぁ…。

入試のためなのか…?

今年の入試には、ほとんど関係ないものの、一部で少し動きがみられるeポートフォリオ。まあ、あと4、5年のうちに本格稼働になる可能性は十分にあると思うので、今年から少しずつ動き出すということは必要だとは思う。

ただ、どうしても「入試で使うから」という動機でeポートフォリオの準備が必要であるという前提があるので、議論はどうしたって「入試で不利にならないようにどうしたらいいのか」という点になりやすい。

だから、議論や興味の中心が「教員が使うにはどうしたらいいのか」ということや「生徒に記録させるにはどうすればいいのか」ということや「どんなことが入試でウケがいいのか」ということになりやすい。

まあ、そこまでは仕方ない、現実問題として仕方ない。

でも、安易に「書くことがないからもっとボランティア活動させましょう」だとか「部活動をもっと頑張らせましょう」だとか言い出しているのをみると……。

eポートフォリオの良し悪しは最早議論しても上から降ってくるので、「業務」としては置いておくのだけど、使わなければいけないのであれば、安易に「生徒任せ」になるような発想はなあ…となる。せっかく「ポートフォリオ」するのであれば、普段の授業から設計を考えてみてもいいんじゃない?eポートフォリオに反映するかは別としても、ポートフォリオ評価は授業に組み込めるわけですし。

教科と総合に活かすポートフォリオ評価法―新たな評価基準の創出に向けて

教科と総合に活かすポートフォリオ評価法―新たな評価基準の創出に向けて

 

ポートフォリオ評価は、単なる記録ではなく評価なので、学習の過程で創出されたものすべてを保存するのではないとの考え方が一般的である。すなわち、残す意味があるものを選んで子ども自身の目の前でファイルすることを通して、1)子どもが達成したことが何であるかを子ども自身に明確に伝え、2)どうしてそれが高く評価されることなのかをわからせ、3)子どもの達成感や自尊心、あるいは自己効力感を高め、そして4)次の課題が何であるかを示して自分の学習活動をコントロールするためのメタ認知を育てることを意図するものである。何を残して学習成果を最大限にアピールするか、という意味で、証券ポートフォリオ(連動しない証券の組み合わせ)と底通する用法である。

ポートフォリオ(教育評価の専門用語)

授業を大きく変えなくても、ちょっとした時間を積み重ねて、生徒自身に自分の成長を思い返させる時間を取れるようになるだけでも、授業への生徒自身の手ごたえが変わると思うのだけどなぁ。

もちろん、その分だけ、教員が準備しなければいけないこと、見取らなければならないことが増えるので手間は増えるのだけど……、それだけの価値はあると思えるかどうか。

入試のためというモチベーションからだと難しいだろうなぁ。

指導案とは…

絶賛、教育実習が行われており、いよいよ終盤である。実習生の多くが懸命に指導案を書いている。

まあ、生徒がいる時間帯、日中の授業のある時間帯に職員室で書いている様子を見ると「実習なのに意味ないじゃない……」と思うけど、色々と大変なのも分かるので働き方改革と唱えて何も見ないことにする。

指導案の書き方のフォーマットは流儀というかお作法というか、地域や団体で多少の差があるのだけど、それでも気になるのが何のために指導案を書いているのかということである。

www.s-locarno.com

自分は校内では誰にも読まれないので趣味だが(笑)、少なくとも実習生の指導案は自分のものよりははるかにちゃんと読まれる。

それだけに思うのだが……先輩の指導案の文言を切り貼りしたような書き方はよくないんじゃないかなぁ。参考文献を読んでみたり学習指導要領を開いてみたりして、それなりに自分の授業でやりたいことの仮説を記述して、あとから他の人から検証してもらうのがよいと思うのだけど、人の指導案を真似して切り貼りしただけじゃなぁ……というか、学習指導要領を読んでないぞ、誰もかれも。

ま…指導教員が悪いとしておこう……。

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