もうすぐ、一学期の残務も終わって、自分の勉強をする時間ができます。
日々、授業に追われていると自分の勉強をする時間がないので、自分の勉強をしたいところです。
毎年、夏には研究会などもあるので、色々と勉強する機会はあるのですが、自分で勉強をする時間を取らないと、深まらないものです。
この夏に個人的に勉強しようと思っているのがプロジェクトベース学習(Project-Based Learning)です。
プロジェクトベース学習とは何か
最近のアクティブラーニングの流行ということもあり、「プロジェクト学習」という言葉も広まっている印象はありますが、今回、自分が勉強したいなぁと思っているのが、「プロジェクトベース学習」いわゆる「PBL」と呼ばれるものです。
PBLというと「問題解決学習(Problem-Based Learnig)」と混同されやすいのですが、それではなく「プロジェクトベース学習」のPBLを勉強したいと思っています。
前者のPBLは、医療系の大学で開発されて進歩し続けているもので、後者のPBLは、デューイの経験主義思想やそれに影響を受けたキルパトリックのプロジェクトメソッドに源流を持つものです。
デューイやキルパトリックの名前を見ると何となく予想できるところだと思いますが、簡単に言えば、プロジェクトベース学習は、問題設定から解決の方法、そして成果を出し、それを発信していくという一連の流れを、子どもたち自身で現実の中から問題を見つけ、実践していく学びの方法と言えます。
なぜ、今、プロジェクトベース学習なのか
こうやって慌てて「プロジェクトベース学習」なんて言い始めると、あたかもアクティブラーニングの流行に乗ってやり始めたみたいなのですが、自分自身がプロジェクトベース学習と知り合っていたのは約10年くらい前です。
そのころから、「あー…合理的に考えていくと、こういう学びになっていくんだろうなぁ」という意識があったのですが、それがここにきて、いよいよ、実践していかなければならないような状況に追い詰められています。
と、いうのも、第一に、自分の学校がやっている総合学習に危機的なものを感じたということが大きい。いよいよ、ちゃんと考え、冷静に論理的にかつ具体的に話をすることで見方を増やさないといけないと思ったのです。
第二に、子どもたちの将来を考えた時に、自分の住んでいる地域の現実を見つめることで、そこから価値のあるものを見出す力を身につけてほしいという考えからだ。
グローバルに活躍するのは確かに理想だ。しかし、その一方で、大多数は地域で生きていかなければならないのだから、その地域に対する、つまりはローカルの視線を持ってほしいのです。
第三に、自分の送り出した卒業生の様子を見ての反省がある。高校三年間にできる限りのことは教えたつもりであっても、大学に入った一番最初のレポートで一文字も書けないで苦労する子どもや平気で剽窃を行ったり剽窃とは言わずともろくに考えないレポートを書いているという子ども、それに「そもそもやっぱり何のために勉強しているのかわからない」と言い続ける子どもが少なからずいることに対して痛烈に責任を感じている。
多くの先生は「ちゃんとやれよ、バカだなぁ」と子どものことを笑うし、笑われた方もそれほど深刻にとらえている様子はない。
でも、その「自分たちが三年間教えていたことが何も生かされない」という状況の異常さがやはり問題と思わざるを得ないのです。
少しずつ勉強してアウトプットしていきます
そういうわけで、少しずつ、PBLについて勉強していきます。その勉強のアウトプットとしてブログに不定期に記事を書いていきますので、いろいろな意見を聞かせていただければと思います。
なお、自分がやるまでもなく、日本のPBLの第一人者ともいうべき方が、ブログに詳細な解説を書いています。
NPO法人「日本PBL研究所」理事長の上杉賢士先生が執筆されています。自分がこれから紹介していく本も、上杉先生の本が多いので、PBLに興味がある方は、どうぞ。