部活動問題が巷を賑わせていますが、それに対してこんなニュース。
「部活手当2割増 来年度から文科省方針」(毎日新聞2016年7月28日)
ついに金銭面で文科省が動いたかという感じではあるが、内容としてはお粗末だろう。
これで部活動問題を火消されては、根本的な問題を放置されることになる。
そもそも「2割」という数字が大して大きくない
現状の部活動の手当は四時間以上で「3000円」という額である。つまり、二割増額しても「3600円」にしかならない。
しかも、いやらしいことに上の記事では、
厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会の小委員会は27日、全国平均で24円引き上げの目安を公表。全国平均は822円となる見通しだが、部活動手当が増額されれば、それを上回る時給900円となる
などと書かれているので、あたかも教員の時給が900円で部活を指導するかのように見えるが、実際は4時間で終わるような部活は稀であり、丸一日になる場合のほうがほとんどだ。8時間働いたら時給450円である。しかし、
を見てもらえれば分かるが、休日勤務は一日4時間で済むような状況ではない。
問題は時間の長さが大きい
そもそも、平日、2~3時間、超過勤務させられているということも問題であるのに、休日手当を二割増額で誤魔化そうというのは虫のいい話である。
いやらしいことに新聞の見出しには「休日」という言葉が抜けている。あたかも「平日」から賃金が上がるような書きぶりである。
根本的に部活に時間を取られ過ぎであることが問題だと感じている人が多い。
そういう状況であるのにもかかわらず、「休日」についてだけ、しかも二束三文で、部活動問題を終わらそうとするのはあまりに酷い話だ。
責任に見合う賃金と体制をください
部活を指導することで様々なリスクが付きまとう。ケガなどはもちろんだけど、外に見えないこととしては生徒同士の人間関係などにも配慮してやらないといろいろな方面から責任を問われる。
自分の家族よりも生徒を優先させられる場面が多いのが教職だ。それはある程度しかたない。でも、わざわざ追わなくていい責任まで、部活によって負わされることには大いに問題がある。
安く買いたたかれるような仕事はしていません。