ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

生徒の学校に対する満足度は高くない?

生徒に学校生活の満足度をアンケートすることがある(というよりもB社の模試のオマケみたいなもので、それほど真剣なものだとは思っていないが)たびに思うのだけど、生徒の学校生活の満足度がアンケートを取るたびに下がっていくのは何故なんだろう。

全国の平均値の推移を見ても比較的下落傾向にあるようだけど、それでもやっぱり目の前の生徒の学校生活の満足度が高くないことは気になるところだ。

どうして、このようなことが起きているんだろうか。

目の前に見える子どもと見えない子どもとの差

普段、ホームルームなどで生徒とかかわる機会は、担任をやっている以上は少なからずあるのだけれども、そこでの生徒との会話や行事での生徒の様子を見ている限り、「そこまで自分の学校生活に対して評価が低いのか!?」と驚くことの方が多い。

自分の生徒の見立てが悪いのかもしれないと思い悩むこともないわけではないけど、周りの先生に聞いても「あー…案外低いのね」という反応であるところを見ると、見た目とアンケートの結果は一致していないという感覚はある程度共有できるものかもしれない。

でも、生徒の満足度が低いことを、見た目の楽しそうにしている様子に油断して見過ごしていることはあまりろくなことにならない気がする。

目に見えないところで生徒が不満をくすぶらせていることに鈍感になることが、自分にとっては恐ろしいことでもある。

なぜ、生徒の不満は増えるのだろう

行事や日常生活を見ていると楽しそうにしている生徒だけど、それでも学校生活の満足度が低いのは何故だろう。

それも、学年が進めばさらに満足度が低くなる傾向になるのはどうしてだろう。

ちょっと気になってググってみたら、次の資料が引っかかった。

谷口エリ子「進路指導における実践的課題解決の工夫ー既存の進路学習をより効果的に行うためにー」(沖縄県立総合教育センター 前期長期研修員 第 48 集)

まあ、雑多なものではあるんだけど、やっぱり満足度の下落傾向があるみたいで、この資料ではその原因を「学習」にあるのだと分析している。

高校生について言えば「学習」が一気に難しくなることやそのことによって留年などのプレッシャーをかけられることが面白くないという話はよく分かる。

よく高校の教員は「もう義務教育でないのだから自分が好きだからやっているんだろ」という言い方で勉強しない生徒を責めるのを耳にするんだけど、これは酷い話ではある。高校の進学率が97%を超えている時代に「高校は義務教育ではない」だとか「自分がやらないなら面倒を見ない」という言い方は時代錯誤である。そもそも、義務教育でないから面倒見ないという言い方自体がおかしな話である。

「学習」が上手くいかないところに、高圧的に勉強について教員から日々、小言を受けていたらそりゃあ気分だって悪くなるだろうね。

必要ないことを押しつけていない?

進学校ほど校則が緩くて、そうでない学校ほど校則が厳しいなんてことがまことしやかに言われますが、生徒を縛ろうとすればするほど生徒に余計な負担を与えていることになる。

まあ、生徒指導については色々な事情があるのもわかるので、あまり天に唾する真似はしないのがいいとは思うんだけど、自分の学校を見ていても思うけど、生徒に対する人権意識はもっとあっていいとは常々思っている。 

s-locarno.hatenablog.com

確かにだらしない服装や遅刻をされるなどは直接的に学校の評判や周囲への不利益に関わるから指導しなければいけないことではあるけれども、教員同士でコンセンサスが取れていないことや時代錯誤であるのに「慣例だから」という言葉で済ませて改善を考えていないことを生徒に押し付けるのは流石に理不尽というものに思う。

強制なのか指導なのか

最近、どうも巡り合わせが悪いのか、「教育と強制」の関係について考えさせられる羽目になっている。しかし、本腰をいれてまで考えようと思うまでの時間がないのと考えるほどダメージを受けるので、現状は保留となっている。 

s-locarno.hatenablog.com

ただ、やっぱり常々思うのは、読書感想文にしてもそうだけど「これ、面白くない」とか「これに意味があるか分からない」という言葉を子どもがいう権利がないのは、どうなんだろうなとは感じる。

自分の授業が何でもかんでも生徒から端を発して、満足度100%になるような授業ではないのだけど、それでも「これはやる意味がない」「やりたくない」という言葉をいう権利くらいは認めてあげたい気はしている。

自分自身がやっぱり「学校はクソ」ということを思い知らされて育ってきただけに、同じような言葉にならないつまらなさを抱かせたくないのである。

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