考査も終わって生徒との面談や保護者との面談が始まった学校が多いようです。
自分もその例に漏れないで、日々、朝一番に休み時間に放課後に*1生徒と怒涛の面談をこなしております。
流石に数をこなしていると同じような話を繰り返ししているような気がしてきます……が、ある程度、平等に、漏れなく、それでいて時間を押さないで面談するにはポイントを押さえておくことが必要だとも感じています。
今後の面談の展開を考えて、自分が生徒と話していることを紹介してみます。もし、他に「こんなことを聞いた方がいいよー」というものがあれば、コメントで教えてください。
そもそも何のための面談かをはっきりさせる
面談が長引いたりお互いに意味がないなぁ……という思いに陥らないためには、何のための面談なのかということをしっかりと考えておく必要がある。
そもそも、教員と生徒は普段から色々なところで顔を合わせて話をしているので、呼び出して面談をするとなれば世間話と同じでは時間の無駄というものです。
では、わざわざ生徒を呼び出して面談を行う理由としては…
- 他の生徒がいるときにはできない立ち入った話をして、生徒のことを正しく理解する(成績や進路や家庭のことや悩みなど)
- 生徒からの学校やクラスに対するフィードバックを得る
- 生徒の生活や学習に対するフィードバックを与える
- クラス運営に関して生徒にお願いしたりお願いを聞いたり…
と、まあ、こんな塩梅で考えています。ただし、これは「これを話しておけばいいや」という結論ありきの面談をするのではありません。どうしても「話しておけばいいや」と思っていると先入観で生徒を判断して一方的になりやすいですからね……。
とにかく、ダラダラと話してしまったり話すことがなくて沈黙してしまったりするのは時間の無駄なので、「生徒のことを理解する」のと「生徒に理解してもらう」ことの二点を力点に置くのです。
初歩の初歩。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン。
話し方でありますが、よく言われるようにオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けます。
- オープンクエスチョン … 自由に答えてもらう質問
- クローズドクエスチョン … 「はい」「いいえ」で答えてもらう質問
初めからオープンクエスチョンで質問をすると、生徒のほうも心の準備ができていないし、何を話したらよいか分からずに沈黙しがちになります。
ですから、初めのほうがクローズドクエスチョンで気軽に返事をしてもらうようにして、会話を弾ませて生徒の緊張をほぐしてからオープンクエスチョンで話を聞き出した方がいいという感覚はあります。
ただし、クローズドクエスチョンを乱用すると詰問になるので注意です。
話す順序は?
どのように話したらいいかなぁと思って話していると、だいたい次のような順序で話していると感じます。
- 現在の成績の状況や学習の状況や生徒の生活の状況について話をする
- 前回の面談から現状にいたるまでにどのようなことがあったのかを聞く
- 次の面談の機会までに何をしたらいいか、何をお互いに達成するかを考える
簡単にまとめるなら「現在」を確認して「過去」を分析して「未来」を考えるというセットで考えています。
また、何度も同じ話をいったりきたりしないように、この順番を遡ったり入れ替えたりしないように心がけて話します。
教員が話すのか生徒が話すのか
面談は生徒を呼び出して時間を割いているという感覚が教員側にはあるので、ついつい言いたいことばかり生徒に押しつけて終わりになります。そうなると生徒のほうは言いたいことも言えない面談じゃ、ポイズンと毒づきたくもなるでしょう。
やはり、生徒面談であれば最近ではいろいろなところで言われる「傾聴」を教員は実践した方がいいでしょう。
教員が生徒に言いたいことは生徒から聞く話の十分の一くらいで十分でしょう。
生徒に対して教員から言うべきことは「お互いに約束すること」に限るくらいがベターに感じます。
つまり、「〇〇までに●●を準備しておくよ」とか「●●の資料を用意しておくから〇〇を調べておいてね」とかのように、生徒に一方的に押しつけるのではなく、教員も生徒と約束をして、その約束をしっかりと守ることで生徒にも約束を守ることを求めるのです。
生徒面談ならでは?生徒の生活をシンプルにする
生徒に満足して帰ってもらい今後の生活に面談したことをつなげてもらうために、効果的なのが「生徒の生活の交通整理をしてあげる」ことです。
どうしても生活の当事者になっていると没頭してしまって生活に追われてしまっている。
だから、客観的に情報を整理でき、また、他の生徒の例を山ほど知っている教員だからこそできるアドバイスを伝えるべきだ。
「部活と勉強の両立ができないんです…」という悩みをいう生徒は非常に多い。そういう生徒に対してどんなアドバイスをするか。
「隙間時間を見つけて頑張れ」「もう少しムダな時間を減らしてみよう」「スマホやめれば」などなど、教員は根性論や月並みなことを言いがちであるけど、本来であれば実際に両立できている生徒の例を見ているのだから、その生徒がどんな優先度のつけ方をしていたのかということを話してあげることや、その生徒と比べて能力が足りないなら何を切るのかを教えてあげるのがよいと思うのです。
何でもかんでもやらせてやることを増やすのは教育現場のよくないところだ。
だから、減らすことを生徒は戸惑いがちになるのだから、ちゃんと適正に合わせていらないことを切ってあげるのは子どもをよく理解している教員の仕事じゃないかと思う。
苦手教科だって……やるべきことはやらせても、得意になるまでやれといったら生徒は倒れるよ。
生徒に対する敬意を
面談をやるときも決して命令でないことは肝に銘じておきたい。
あくまで、主体は生徒であって、教員はそのことに敬意を持っておきたい。
*1:残業代?何それ、おいしいの?