趣味です。あまりこのブログでは書けていないし、自分もやる機会が高校の現代文にいるせいでないんだけど、自分の一番やりたいのは文法教育なんですってば…。
教員は文法が好き?嫌い?
生徒に聞くとまず間違いなく「嫌い」「やる意味が分からない」などのようにネガティブなリアクションをもらうことが多い文法なんだけど、これが教員を相手に「文法は好きか」と問うと、意外に「文法の授業が好き」という先生は少なくない。
しかし、その理由がなかなかしょっぱいことに「答えがあるから教えやすい」という人が少なくない。自分が見聞きした範囲だと国語が専門ではない小学校の先生がこう答える傾向が多いようだし、国語の免許を持っているはずの中・高の先生も「名に教えたらいいかわからない文学よりも教えやすくていい」とか「古典は文法を教えていればいいからラクだ」とか……。
「教え込んで覚えろと迫るから生徒が文法を嫌がるんだよ……」という暴言の一つも吐きたくはなります。
そんなわけで授業のネタになりそうな書籍をば
そもそも日本語学とは何かと言い出して、時枝誠記だとか上田万年だとか三上章だとか*1を読めなどと言っても「は?」という顔をされること間違いなし。
そんなわけで、比較的読みやすい本を紹介します。
- 作者: 森山卓郎,安部朋世,石田美代子,川端元子,日高水穂,松崎史周,矢澤真人
- 出版社/メーカー: ひつじ書房
- 発売日: 2012/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これは読み物としても面白い。日本語のあるあるネタを日本語学的に丁寧に解説してくれています。また、学校文法を踏まえたうえで、様々な日本語のネタについて説明してくれるので、この本に書いていることをもとにして授業を作ることもできます。
そもそも「文法は学校文法が正しい」ということを疑ったことがない人が、あくまで文法は相対的なものだということを知るためにもいい一冊です*2。
学校文法で手薄なのが「語用論」に関わるような内容なのだけど、実際、世の中で役に立つのがこの分野なわけですから、知っておくことは大切です。あまり難しいことをいうよりも、このくらいの範囲から手を付けてみるのがいいかなぁと…。
タイトルの通り、国語の教員向けの一冊。教科書を意識して作られているので、教員にとっては意図はわかりやすいはず。しかし、ややぶっきらぼうなので、文法が専門外だと案外「あれ!?」と困ってしまうような場面があるかもしれない!?
これは漫画で描かれているけど、扱っている話題は言語学の入門になりそうなことばかり。教員が読んでみて考えるのもいいし、これを生徒に提示して一緒に考える文法の授業をしてもよし。
このシリーズは「大学生」向けではあるけど、中高の作文にも使えるネタはあるかも。むしろ、大学でどのような表現を使うのかを知ったうえで、じゃあ、授業でどんな文法をやる?という視点はある。
もう少し踏み込んで考えるのであれば
上記は比較的、読み手を選ばない読みやすいものですが、もう少し、専門的に踏み込んでみるのであれば…
今月に新版が出た日本語学の入門書。
日本語学の大部分をカバーしつつ、それぞれの分野について実例が解説されていたり発展課題が示されていたりと「日本語学的に考えることに慣れる」ために使えるテキストです。
まあ、あとは文法教育ってこんな感じなんですよーというCiNiiで読める論文。あくまで雰囲気をつかむ&覚えればいいってもんじゃないということをわかってもらえれば…。
文法教育をやりたいのですが…
なんちゃって大学院生をやっていたことには文法教育をやっていただけに、文法教育をやりたいのですが、高校にいるとなかなかチャンスがなくて……。
だれかの踏み石になってくれれば幸いなのですが、この記事。