ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

生徒の活動中に何をしているのと聞かれるけど…

Teacher

次期指導要領でアクティブ・ラーニングの文字は入らなかったものの「主体的・対話的で深い学び」が言われるようになっており、結果的に「アクティブ・ラーニング」型の授業をやることになるわけです。

個人的には現行の学習指導要領になってから教員になった人間*1なので「言語活動の充実」の文脈で「活動」はやらせてきていたわけだから、それほど抵抗はないし、むしろ現状でも、アクティブラーニング型の授業*2にはなっているわけで。

そんな中で最近たまに聞かれるのが「生徒に活動させているときに何しているの?」ということだ。

このことを答えるのはなかなか難しい部分もある。だから、まあ、今日は今後の布石として雑多に書いてみようと思う。

何もしてません

誤解を招くような言い方をあえてするけど、授業中は何もしてません。

厳密には何もしないように我慢しているというほうが正しいし、そう理想通りいかないもので、結局、支援に回ることになったり声を掛けてしまったりとなるんだけど、基本的には生徒には口出ししないで何もしないでいようと思っている。

理由は単純で、40人もクラスに人間がいるんだから生徒にバラバラに活動をさせたら、個別の把握なんて同時には無理だからだ。このあたりの発想は『学び合い』に近いのかもしれない。 

クラスが元気になる! 『学び合い』スタートブック

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『学び合い』を成功させる教師の言葉かけ

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一人一人を見ることに力まないからこそ、全員を見て取れるという感覚はある。

本当に一人一人を把握しなければいけないところは、個別のパフォーマンス課題を与えて評価すればいいわけで、学んでいる過程をあれこれと操作しようとするのが徒労に感じるのです。

ぼんやりと言葉を聞いている

何もしないように努めてしているけど、教室のあちらこちらから聞こえてくる声には注意をするようにはしている。

話している内容を聞いていると課題が上手くいっているか否かがなんとなくわかるし、こちらが想定したように課題が機能していないのであれば、それを修正するための板書を考えたりはする。

また、上で何もしないとは言ったけれども、生徒が話しているのを聞いて、よいなぁと思ったことには、「反応」はするようにしている。「指導」ではなく「反応」。

話し合いがリアルタイムだからこそ、即座に反応する必要があるけど、そのためにはぼんやりと聞こえてくる音を聞いているといい感じ。

そもそも話し合ったり活動したりする前に、提示する課題が上手くいっていなければ、反応しなければいけないような活動は起こらない。活動が上手くいっているのであれば、自信もって活動してもらえるように反応するだけでいいかなあという感覚がある。

一方で、話し合いが本筋から外れていてもあまり気にしないようにはしている。どうせ、ちゃんとそのうち戻ってくるしね。

必要があれば一人一人と話します

この前、リーディング・ワークショップのカンファランスの話を書いたように、必要があれば一人一人と話をします。 

s-locarno.hatenablog.com

でも、必要ない時はとことん好きにやらせておく。

一方で、教員を頼りたくて頼りたくて仕方ないという態度の生徒もいるんだけど、そういう生徒を面倒見すぎないようにはしている。(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪みたいな感じで聞いておけばそういう生徒は満足することは多いし、逆に「ダメだ……こいつ…役に立たない」と二度と声をかけてこなくなるのでお勧めです。

自分も同じ作業をする

あとは自分も生徒に要求した課題を生徒の横で一緒になってやっていることはあります。付箋を貼ってみたりいろんな資料を読んでみたり。

自分の作った課題の点検という意味もありますが、どんな作業をしているか盗み見てもらうような感じで。正統的周辺参加だとか認知的徒弟制的な何かを狙っているのだ*3

ま……自分でやってみると課題やてびきの穴を見つけてへこむんですけどね…。

最近しなくなったもの

最近は授業のあいさつをしなくなりましたね。というか、あいさつするタイミングがない。初めはともかく終わりはほぼしない。

だって、話し合っているのに邪魔じゃない?

*1:折に触れて強調するが俺はまだ若いんだあああああああ!!!

*2:言語活動の充実とアクティブラーニング型の授業はほぼ同じものを指しているものの、違いがないわけでもない。細かいことが気になる方は(理論)初等中等教育における主体的・対話的で深い学び-アクティブ・ラーニングの視点あたりをご参照ください。

*3:難しいことを言ってみたかっただけで冗談である。

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