知識構成型ジグソー法の授業もいよいよ大詰め。
エキスパート活動で生徒が話し合ったことをジグソー班に戻って共有し、大テーマについて解答をする段階に。
ジグソー法はきちんと一人一人が話す言葉を持てることがいいですね。内容の深まりについては課題の設定の工夫が必要だったりと面倒なことも多いのですが、話すことへの手応えを伝えるにはいいなぁと思います。
協調学習とは: 対話を通して理解を深めるアクティブラーニング型授業
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おかげで話し合いはそれなりに盛り上がっているし、実のある内容を話しているなぁと手前みそにも評価したくなるくらいにはやってくれています。
しかし、その一方で困ってしまうのが、それだけ話し合いが盛り上がったとしても時間は有限だということです。
話したいことがあれば話したくなる
当たり前のトートロジーを言っているようだけど、この感覚は大切だと思う。生徒に話し合いをさせても授業が上手くいかないと悩む話を聞いた時の多くの場合は「話す意味が分からないのに話し合いをさせている」パターンだ。
大村はまは話し合いについて次のようなことを言っている。
私は、授業として話し合いをするには、とにかく、いろいろな意味で、準備がとても大切と思います。それが話し合いをしていい場面であって、話すに足ることであって、ほんとうに話したい人が、生き生きとして、ことばを胸にたくさん思い浮かべながらそこに集まったのでなければ、少なくとも、話し合いの学習活動にはなりません。『大村はま国語教室 第2巻 聞くこと・話すことの指導の実際』(P.97)
ジグソー法はまさに「ほんとうに話したい人が、生き生きとして、ことばを胸にたくさん思い浮かべながらそこに集まったのでなければ」の部分が強い。
だからこそ、ジグソー法での話し合いは非常に盛り上がる。
盛り上がった話し合いをどう切り上げる?
盛り上がる話し合いだとしても時間は有限であるのでどこかで打ち切らなければいけない。
盛り上がっている話し合いを打ち切るのは忍びない気持ちもあるんだけど、長くなればなるほどフリーライダーも増える。
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緊張感がなくなるし話し合いの中心人物と周辺人物に生徒が分かれるようになってしまう。ジグソー法の良さは人間関係が固定化されないで流動的になるところになのに、打ち切るタイミングを逃すと、その良さも消えてしまう。
だから、自分の中の「話し合い」のルールとしては時間できっぱりと打ち切るようにしている。生徒の話し合いの流れを読んで……というのも一理あるんだけど、時間に合わせて成果を出すことを求めるようにするのも習慣の力だろうなぁと思い、泣く泣く切り上げるようにしている。
時間を守らせる?どうやって焦点化させる?
いくら話し合いをやっても時間が足りなくなる原因に、話し合いが「拡散」にばかり向かって、「収束」に向かう方法を示していないということの原因は多い気がする。
中々、話し合いの落としどころをあらかじめ予測して示すのは難しい。結局、先に予想して示してしまうと、話し合いが予定調和にしかならないし、予定調和な話し合いをする意味はあまりない。
だから、「時間」を示すことで、その時間までに成果を出すことが「収束」のためのきっかけとして悪くないんじゃないかなぁと感じる。
もちろん、時間を示すだけであとは勝手に話し合えというのでは上手くいかないので、時間と併せて、どんな作業をしなければいけないかという手引きを見せる。
ただ、やっていて思うのが「もっと話したい」という生徒の何とも言えない抗議の目は気持ちが分かるだけに辛い。その一方で、話し合いが苦手な生徒は時間がたてばたつほど白けていくのが分かる。
よい落としどころを探っていきたいところです。