ついに出したのか…という感じです。
下品なランキングだという気持ちもあるけど、一方で安易な進路選択を考え直してもらうにはよい資料なのかもしれない。
行方の知らない進路選択の厳しさ
このランキングの意味するものが何かということを安易に断定することはできない。だから、以下に書くことは自分の第一印象と偏見だ。
しかし、一番に感じることとしては「大学に借金をしてまで進学しても、奨学金を返済できない卒業生がかなりの数いる大学がある」ということを大学に送り出す側の高校の教員は重く受け止めるべきだろう。
比較的、入学の難易度が高い大学であっても、意外と滞納者の数が多いということなどを見ると厳しさを感じる。
また、この数字には出てこないが、退学によって貧困に陥る学生もいることも考えられる。退学も学生の将来に与えるダメージは深刻なものがある。
調査シリーズNo.138 「大学等中退者の就労と意識に関する研究」|労働政策研究・研修機構(JILPT)
こちらの数字と併せて考えると、ますます安易な進路選択や入れるところに入るという選択肢を選んでしまう進路指導を恐ろしく思う。
キャリア教育やトランジション課題の解決の重要性
なぜ、アクティブ・ラーニングが必要なのかと言われたら、自分としての答えは、このような資料が示すような「安易な進路選択」によって苦しむ子どもを育てないことやきちんと社会の中で自分の居場所を作り、食っていけるだけのスキルを育てるための合理的な方法を考えれば、一斉授業には限界があると思っているからだ。
高等学校の教育がその子どもに将来的にどのような影響を与えていくのかということについての調査は、今後、注視していくべきことなのだと思っている。
どんな高校生が大学、社会で成長するのか―「学校と社会をつなぐ調査」からわかった伸びる高校生のタイプ
- 作者: 溝上慎一,京都大学高等教育研究開発推進センター,河合塾
- 出版社/メーカー: 学事出版
- 発売日: 2015/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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このような観点の進路指導は決して安易な職業からの逆算のキャリア教育ではないと思っている。
安易に夢だけを説く進路指導も結局、「借金漬け」に生徒をしかねない。
責任のある進路指導を……どれだけ現場は考えているのだろう?自分の管見の限りだと、送り出すことだけが責任だと思う人が多いように感じてならない。