ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

教員同士の話し合い

Week 22 - Silhouette - Discussing the Evening Race

明日からの二週間は夏季休業に向けてのラストスパートです。考査の採点も終わったし一気に仕事を仕上げていこう!

この時期は色々と会議が増えてきます。成績会議や授業についてや生徒募集についてだったり……まあ、長々と拘束時間ばかりが増えて面白いものではありません。

教員同士の話し合いを見ていると、昨日も少し触れたけれども上手くないなぁ……と思うことが数多くあるわけです。 

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結論を一言で言っておくなら「子どもより質が悪い」に尽きます。

教員は個人事業主的な意識がある

最近、指導要領の改訂やらで色々なところで聞くようになった「チーム学校」という言葉。裏を返せば、わざわざ言葉を作って言い出さなければいけないほど、学校という場所は、教員同士の関係は「個人事業主」的な感じがある*1

よほどの大問題を起こさない限り、教員の「自己責任」で任されてしまい、他の教員が口出しすることは殆どない。授業アンケートをやっていても、毎年、評価の低い教員は評価が低いままであるし、学年や担任によって生徒の雰囲気や意欲、それどころか進学先まで大きく変わってしまうというのに、形ばかりの会議ばかりで根本的に問題を解決しあったり手法を共有しあったりする文化はほとんどない。

本当は「チーム学校」で協力したほうがいいのでしょうけど、見事な囚人のジレンマ状態で、「裏切ったほうがマシ」という状況が多いわけです。学校によって差がある……というけど、学校によって差があるという状況自体が、もうすでに相互に不干渉の教員の体質が表れているわけで……ま、どこも大なり小なりでしょう。

意見するけど意見は聞きたくない

教員に限った話ではないとは思うけど、「人の意見を聞く」ということは決して面白いことではないから素直に人の話を聞くことは難しい。教員の場合、普段、生徒に偉そうに講釈を垂れることが多いせいか、自分が意見を言うのは強気だが、人の話を聞くのは好きではないという人が多い…ような気がする。研究会などの質疑応答で「私はこのような教え方は嫌いだ」というような発言を聞くことが年に何度かあることを思うと、まあ、そういう文化なのだろう。

特に危ないのが「授業」についての意見交換だ。公的な場面で、学校外の人から言われるのであれば、まだ大人の対応をする人は多いだろうけど、同じ学校で話し合いや研修をしようものならば、初めから相手の意見の話を聞かないでいるか相手の意見に対して憤怒の勢いで噛みついてくることが少なくない。

特に今はやりのアクティブ・ラーニングについては、答申や各種論文を読まないで「生徒の活動などよりも講義で教えなければいけない」だとか「そんなお遊びの前にやらせることあるでしょ」だとか「講義でしか教えられないことを教えることが教師だ」だとかトンチンカンなことを言い出して、大したこともない自分のこれまでの経験を最上のものとして自省する姿勢を微塵も見せない。色々なものを読んでから発言しているならいいんですけどね、読んでいるならこういう発言にならないと思うの…。

こんなに人の話を聞かないのに、生徒の話を聞いているのでしょうか……。

授業について話し合える学校ですか?

面と向かって「その授業は生徒の卒業後の将来に何の役に立ちますか」という疑問をぶつけて話し合える学校ってどのくらいあるのでしょう?

「受験で受からせればあとは知らない」という態度の教員は少なからずいるし、とりあえず良い進路にいければよいというニーズも少なからずあるから、そういう教員の教育観を否定することもできないし、折り合いをつけることも正直難しい。

そうなるとやはり関わり合わないということが一番の選択なのだと感じるが……関わらないということで、どれだけのことが損失になっているのだろうか。

 

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*1:言うまでもないけど学校による差が大きいことは言うまでもない……が、お互いにお互いの仕事の仕方についてコメントしあう文化は殆どないのが大半だろう。

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