ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

そうそう小論文の時期になったのです

Writing words..

去年もこの時期に小論文について記事を書いていましたね。

www.s-locarno.com

今年もそんな時期になったので、テクニックに走る小論文について愚痴っておこうと思います(笑)

自由に書かせる?型にはめさせる?

上の記事でも批判的に書いているけど、小論文や作文の指導として手っ取り早く型を教えて指導したことにしてしまうのは、あまりに雑なのではないかという気分があるし、型に押し込むことでかえって書けなくなるようなことを目にするので、大人が飛びつくほどに効果的な指導にはならないだろうなぁと思う。

自由に書くか型を守って書くかというような議論は国語科でも古くから散々に議論されてきたことであるので、どっちがよくてどっちが悪いかと簡単に断言はできない。逃げ腰な言い方になるけど、生徒に自由に書かせることも必要だし、ある程度「型」を押さえて書かせることも必要だろうと玉虫色な結論で、どっちもやるしかないんだよなぁと思う。

自分の気分としては「ライティング・ワークショップ」型の授業をやるくらいなので、好きに書いてほしいなぁと思うのだけど、なかなか色々な意見を受ける。

www.s-locarno.com

当の生徒たちからも受験に役に立つことを…なんて言われるからね。面白いけど受験には役に立たないし書くことの力を伸ばしているという気にはならないらしい。

受験の役に立たないかあ…

受験の役に立たないと言われると辛い。受験に役に立つかどうかは置いておくとしても(自分があまり興味がないし検証が難しい)、「やっていることが意味がある、力を伸ばせる」と実感してもらえていないのは、授業者としては反省が多いところだ。

でも、だからといってお手軽に役に立ちそうな印象を与える「型」を教えて使わせるだけの授業もどうかなぁ…と思う。例えば、大学入試だと「樋口式」なんて有名だけど、個人的にあのパターンで出てくる作文を何枚も読まされるとげんなりする。 

樋口裕一の小論文トレーニング―書かずに解ける新方式でいつでもどこでもパワーアップ! (大学受験合格請負シリーズ)

樋口裕一の小論文トレーニング―書かずに解ける新方式でいつでもどこでもパワーアップ! (大学受験合格請負シリーズ)

 

小論文の季節になって多くの生徒が「樋口式」に手を出すせいか、似たような構成の作文を大量に読まされて非常に頭が痛くなる。

確かに形は整うから内容が書けているように見えないこともないのだけど、中身を読んでいくと水分の抜けたスイカのような作文で、本当、読んでいて辛い。

分かりやすく「これをやれば書ける!」みたいなテクニックは何となく自分ができないことができるようになった気分になるのだけど、やっぱり根本的に「書くこと」そのものがないとツマラナイ作文になるよなぁと思う。だからといって、小論文のために誰かを病気にしたりいじめに遭わせたりするのはやめい!と思う。

毎年九月ごろになると世の中に不幸が溢れているように思わされるぞ、添削者。

ちなみに中学入試の場合はもっと…

中学入試の問題は大人が見てもギョッとするような記述問題を出している学校は少なくありません。

小学校六年生に対してあれだけ高度な記述問題を書かせるとなると、いきおい、塾での指導は「型」に当てはめて書けという指導になりがちである。というか、型を教えないことには小学生には厳しい。

まあ、ただ記述問題に答えるということであるなら、そうやって型に当てはめて書くのも合理的だし、問題の難易度と年齢を考えれば仕方ない部分もある。

でも、これが「適性検査」の作文などになると、かなり頭が痛いことになる。

型を教えるのはもちろんだけど、それどころか「教員ウケするネタのストック」をひたすら大量に書かせて練習させる。それこそ作文のパターンを暗記させる勢いで。

もうこうなってくると、何をやらせたいのか、さっぱり分からない。

これは採点する側にも責任があると感じるけどね……。学校批判や後ろ向きな作文は評価が上がらないことを塾屋に吹聴する人がいるから、塾の方もそれに合わせて訓練させるわけであるからね。

書くことをつまらなくしているのは誰?

自分は書くことは自由に楽しくやればいいと思っている。ちょっと形式ばって書かないといけないときは、形を守って書くようにすればいいし、そうでもなければ別になんでも。

入試の作文で形式をやたらと採点基準で重視したり過度に子どもらしさを求めたりするのは非常につまらない話ではないか。

さて、書くことをつまらなくしているのは誰なのだろう?そしてどのタイミングで書くことが嫌になるのだろう?

Copyright © 2023 ならずものになろう All rights reserved.