ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

ワークシートからの脱出を…

Sheets

いよいよ次の単元の開始から逃れられなくなりました。まだ、全体像が自分の中で煮詰めきれいませんが、時間切れの方が先に来てしまいました。

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これまでの高校生活の集大成になるだけに、高度なことをやってほしいなぁ…という気持ちがかなり先走ってしまっている感じがある。「高度なことをやってほしい」と思っているから、どうも生徒が置き去りになっていて、単元自体の筋道が悪い気がする。

ちょっと行き詰ってしまって困ったものだなと。

自分のやらせたいが先走ると

 

素材自体もよい文章であるし、これまでのカリキュラムの流れのまとめとしても非常によい。それだけに「やらせたいこと」が自分のほうには溢れてきてしまうのです。が、当たり前ながら自分の「やらせたいこと」は生徒の「やりたいこと」にはならないと分かっている。

こういう時、つい時間を掛けてしまいがちなのが、生徒への課題である「ワークシート」の作成だ。自分の「やらせたいこと」のすべてを全部盛りにして、どうにかして自分の「やらせたいこと」を全部、その単元で「わからせたい」とあれやこれやと手を尽くしてしまう。

しかしながら、よくよく考えるとこれって非常に本末転倒な気がする。

教員、教える側が「わからせたい」ことって、本来は生徒自身が素材の文章と時間を掛けて向かい合って、自分の過去の知識と結び付けたり複数の資料を重ね合わせて気づいたりするべきことであって、そういう時間のかかる手間をショートカットして、「ワークシート」で気づかせようとするのは、出てくるアウトプットは似たようなものになるかもしれないが、きちんと生徒が過程を経ていないこともあって、生徒の思考の質は確実に異なると思う。

いや、そもそも「ワークシート」に工夫を凝らして複雑になるほど、生徒は「ワークシート」をこなすことが目的になってしまって、素材の文章の内容を読むということからは徐々に離れていってしまっているのでないかと思う。

ワークシートを使って失われること

もちろん、学年が低い場合や自分の授業になれてもらうために、ワークシートを使って導入することは必要である。必要な手立てであるし、それによって「まとめ方」や「本文の注目の仕方」などを教える面もある。

しかし、今回の単元はどうだろう?自分にとっては、これまでの生徒が積み上げてきた評論読解の技術の総まとめとして欲しいと考えている。だとすれば、そもそも「ワークシート」で「こうやってほしい」だとか「ああやってほしい」だとか、そういう誘導が透けて見えるようなワークシートを作ってはダメだよなあ……。

ワークシートで、例えば「対比表」だとか「文章構成図」を穴埋めさせるようなワークシートって簡単に作れるし、それを生徒にやらせると生徒はあたかも勉強したような気分になって、分かったようなつもりにもなってくれる。しかし、本来は自分で文章を読みながら「対比」に気づいて、自分の理解のために「対比表」を書くことが有効だという判断をすることが重要なはずだ。また、上手に「対比」させるためには、何度も自分で書いてみて試行錯誤してみないといけない。

一人で読んでもらうしかないんじゃないかな

今のところ、自分の中の結論としては、目指すべきゴールだけ示して、本文を読んで、理解するために書くという過程は、生徒自身がどんな形で行うのかを委ねて、全面的にやらせてみないといけないんじゃないかなとなっている。

要するに、本当に、ワークシートすら用意しないで、「こういうレベルまで理解して、こういうことを論じられるように本文を理解して欲しい」と伝えて、あとは子どもたちで自力で読んでもらいたい。

こうなると……いよいよ、俺、何もしねえ!いるだけじゃないか!(笑)

もしかして…リーディングワークショップのカンファランスのように、余裕ができた時間で生徒一人一人の読解の状況を把握しつつ、自分たちの読解を支援していけばいいのかなと思う。

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全員が、一人一人、きちんと学ぶことってなんでしょう。果たして「ゴール」だけで、自分たちの時間を大切に勉強してくれるだろうか。

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偉そうなことをいうのだから、自分が覚悟を決めないとな…

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