本日は雨に降りこめられて自宅でダラダラと過ごす。
以前に買った積読を順調に消化しています。本日は気になっていたこの本を読みました。
司書のお仕事―お探しの本は何ですか? (ライブラリーぶっくす)
- 作者: 大橋崇行,小曽川真貴,こよいみつき
- 出版社/メーカー: 勉誠出版
- 発売日: 2018/04/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昨年、司書教諭を取ったこともあって、司書のお仕事には関心があります。もちろん、学校図書館と公立図書館では違いも大きいのですが*1、それでも司書や図書館について、自分が見ている面とは違う面から知ることができるのは楽しいものです。
ノリはお仕事系ラノベだけど…
本書の一番の特徴は、「専門職としての司書」の姿を描いて、理解してもらおうとしている点です。
だから、普通の小説とは違って、本文の割としっかりとした解説欄が入りますし、話と話の間には司書の業務に関わるようなコラムが挿入されています。
話自体は「ビブリア古書堂」のように専門職の知識を活かした話となっています。
ビブリア古書堂の事件手帖 ?栞子さんと奇妙な客人たち? (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: Kindle版
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一話目ではNDC分類についてのお話で推理小説仕立てになっています。
もちろん、お話の柱である謎ときについても面白いのだけど、その謎ときに司書のお仕事と専門性が生かされています。例えば、貴重な資料の受入に関して目録作りのために書誌情報を検討することや誰にでもできそうだと勘違いされやすい「分類」と「排架」に関わる知識やこだわりなど、外から見ると気づきにくい専門性が描かれています。
この話を読んでいると司書の仕事の専門性に気づかされますし、どこかの図書館がやらかしたことを思い出さずにいられませんでした。
もちろん、それらの知識がストーリーの謎ときに関わってくるのです。
次回作を期待したいなあ
他にも選書や除籍に関わるお話や、レファレンスサービスについてのお話など、カウンターに座って本を貸してくれるだけの人……みたいなイメージからは遠く離れた、専門職としての司書の仕事が描かれています。
自分は司書教諭の勉強をしており、少しだけ、司書の仕事のイメージはありますし、司書の資格を取るためには司書教諭とは比べ物にならないくらい時間と手間がかかることも分かるので、こういう専門職としての司書の仕事を知れるのは面白いなぁと感じます。
どうやら売れ行きが良ければ、まだまだ語りつくされていない司書のお仕事についての続編も書かれるようです。
個人的にはもっと見てみたいなあと思うので、続編が出るくらいに売れて欲しいので、ぜひ、皆様もお買い求めください(笑)。
*1:そんな話も本書には出てきます。