ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

授業についてぐるぐる考える

Progress

今週も無事終わり。思ったよりも忙しかった。生徒が書類の添削にくるので、それは教員冥利ということでいいかな。

しかし、二学期の授業が行方不明気味なのでそろそろ考えないと。

高校最後の授業までカウントダウン

高校三年生は3学期に授業がないので、この2学期が高校三年間の最後のタームになる。自分の現代文の授業も、三年間、谷あり谷ありやってきたけど、口惜しくもお別れの時期なのです。

それだけに、最終コーナーを回った授業として何をしていこうかということに頭を悩ませている訳です。

高校で自分は一体、何を学んできたのか。何ができるようになったのか、ゆくゆくはどんな人間になるのか……そんなことを少しでも見通せて、終わりにできればいいなぁと思うのです。

そんな思いとは裏腹に、「受験」の二文字は重い。受験で生徒はとにかく「勉強」したい。問題をたくさん解いて点数を上げたい。それは切実な問題だろうし、学校としての方針としても入試の結果は大切だ。

きっと、生徒は自分が授業で丁寧に自分の考えをまとめることや振り返ることを求めれば、それに応えてくれると思う。でも、それに自分が舵を切ってしまって、受験勉強に差し障ってしまったら……という思いもある。あぁ…なんという愚かな忖度か。ちゃんんと受験に意味があると言えればいいじゃないか……厳しいな。

ただ、問題演習をさせる気はないので、自分でもそれなりに素材は集めてきた。一つの演習で複数のパターンを示せるくらいにはネタはある。でも、今までやってきた読み書きの量に比べて、関連する文章を読ませるくらいだとかなり減ってしまうのが悔しいところだ。

素材で勝負するのかな

コンテンツベースで授業を考えるのはあまりよくないだろうと思っている。例えば「羅生門」は高校一年生ならやって当たり前……くらいの考えで授業をやるならやらないほうがいいと思っている。最近、発売された高校国語の本でもコンテンツからコンピテンシーへという話は何度も出てくるし、高校の科目割が変わる以上、そのうち逃れようもなく直面する問題に思う。

高等学校国語科 新科目編成とこれからの授業づくり (シリーズ国語授業づくり)

高等学校国語科 新科目編成とこれからの授業づくり (シリーズ国語授業づくり)

  • 作者: 町田守弘,幸田国広,山下直,高山実佐,浅田孝紀,大滝一登,島田康行,渡邉本樹,日本国語教育学会
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  • 発売日: 2018/08/10
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でも、授業の良し悪しは結局、与えられる素材で勝負が決まるのも事実だ。生徒が思わず読みたいと、読まずにはいられないと思うような素材はあると、今までの経験からすればあると思う。

必要なものを必要な時に渡せれば、必ず、自分のものにしてくれると思うのである。受験だろうと、単元学習だろうと、自力で自分のことを伸ばそうとするのである。

立ちはだかるそれぞれの事情

一番厄介なのが、受験の時期がバラバラになることだ。

早々と受験を終わらせてしまって、あとは周りは無関係の生徒もいれば、とにかく追い詰められて勉強している生徒もいる。

本当にそれぞれにバラバラになって、自分のことをやりたいときに、最大公約数のような授業になってしまっては本当に意味がない。

誰のために、授業をするのか。

それは全員に対して平等に、本当に一時間、一時間、意味のあること、手ごたえのあることを、一生懸命になる時間、そんな授業でなければいけないのだ。それを現実に這いずり回って、掲げることさえ諦めてしまってはならないのだ。

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