九月に入ると教育実習の季節です。
なんやかんやと教育実習生と話して一緒に授業を考えていると、初心にかえって丁寧に授業について考えられます。
ひとつひとつを積みなおす
教育実習は大変な思い出しかない。
まあ、楽しかった部分もあるけど、一つの単元をとにかく緊張しながら、何とか良いものにしたいと思いながら日々を過ごすのである。
上手く行くわけもないのだけどね、授業は経験から見えてくるものもあれば、自分自身が読み手や書き手として成長して来ているからこそできるこもあるし、なかなか道は険しいのである。
だから、授業が始まるまで緊張して、何度も何度もシミュレーションを重ねる時間である。楽しい……と思えるほど余裕はないか。
教育実習で何を学ぶべきかって話は昔、『日本語学』にありましたね。
一緒に授業をゼロから考える
今年は指導教諭ではないが、指導教諭から話し相手を頼まれて、一緒に授業のネタ出しを考えてみたりしている。
学習指導要領の構造をイチから説明してみたり、言語活動と目標の関係を説明してみたりと、授業づくりの基本を自分自身が確認することに繋がっている。また、改めて教科書の文章を丁寧に読み直すということをしてみたり……。
やっぱり普段サボりがちなんだなぁ…と思う。
生徒をどうやって伸ばしたいのか、どこまで生徒を伸ばしたいのか、そういう願いと切実に向かい合ってもらいたいと思うし、欲張らせるためにどんどん自分としても煽る。教育実習なら大人が這いずり回るような現実から遠く離れて、大言壮語、生徒をよくしたいと語ってほしい。そうして挫折して、理想を求めて泥臭く始めればいい。
色々なものがよくできている
そうして一緒に教科書や学習指導要領を改めていると、今の枠組みの中で本当によいものを作ろうとするよい工夫がされているんだなぁと感じる。
学習指導要領の文言も、無味乾燥なんて辛辣な批判を最近目にしましたが、でも、発達段階に合わせて配慮されて書かれているし、小学校から順番に高校の出口まで眺めていくことで、あやふやに見えている国語の系統性も、できるだけ具体的なものにできるように工夫されている。解説まで読めばなおさら注意深く書かれている。
それを受けて書かれている教科書も、やはりよい素材を選んでいるのだと感じる。高校から、中学校、小学校と降りていくと、それそれの段階でどんな勉強をしてきているか、ちゃんと積み重なっていることが見える。
なんで生徒が小学校の頃の作品をよく覚えているのだろうかと思うことはあるけど、たぶん、とても丁寧に指導されてきたこともあるだろうし、発達段階をよく考えて選ばれた素材自体のよさもあるのだろう。
せっかく買っている小中の教科書も、こうも忙しいとなかなか読み直す余裕はないのだけど、読んでいかないとダメだよなぁ……。雑誌で小学校の実践を読んでいるだけじゃダメかな。
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増補版でこそ、高校の実践まで来たけど、やはり丁寧でとてもよく練られている実践は初等教育に豊かにあるんだなぁとつくづく思う。わかっちゃいるけど、なかなか時間が取れないのを反省します。