ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

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【リレー企画】「ALPを用いた模擬授業の振り返り」にコメントします!②

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すっかり間が空いてしまいましたが、連載企画の第二段です。

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今回は第二弾。

インプロの授業ですか……。自分に経験がないので上手くコメントできない気がするけど、感じることや思うことを書き出してみます。

ALPカードの観点から

 

今回の学生さんが選んだALPはA1「学びの主人公」である。これは45種類あるALPの一番目であることからも分かるように、アクティブ・ラーニング全般に関わるような非常に重要で、包括的な観点であると思う。

非常に重要なポイントであるので、長くなるがその解説を一部引用しておく。

 

先生が話すことや仕掛けることを授業の中心に据えてしまうと、生徒は先生が何かしてくれるのを待つようになってしまう。(中略)わかりやすく解説したり、魅力的な体験を提供しようと工夫してつくり込んだりすればするほど、結果として教室での主導権を握ることになりやすい。こうして、「提供する先生」と「それを受ける生徒」という関係ができあがり、生徒達は受動的になってしまう。

そこで生徒それぞれが自分で気づき、考え、行動することを誘発する授業をする。まず、自分の授業で生徒にしてもらいたい体験、得てもらいたい気づきを決める。そして、それを授業の目的として設定し、生徒にその体験が起こるように授業を進めていく。

 

言い換えれば、「授業で一番、アクティブなのは誰か」という問いである。

魅力的な授業やわかりやすい授業は、それはそれで教員の高い技量と修練に裏打ちされた成果である。生徒もそういう授業を受けて気持ちが高まり、学習に前向きになれる側面があることは否定できない。

しかし、それで全てになってしまっていいのだろうかということである。どこかで子ども自身が、自分の目の前にある素材と自力でゼロから相対していくという経験も重要ではないかということである。

今回とまた第四回もA1「学びの主人公」を選んで記事を書いていますが、この「学びの主人公」という概念に対する捉え方や思い入れという所に、結構な温度差を感じる。

おそらくこれは、現場で「教えたい教員」「教えられたい生徒」「主体性を持たせたい教員」「自分で好きにやりたい生徒」という四者の間の微妙な綱引きを感じたことがあるかどうかということが大きいのではないかと感じる。自分ひとりの考え方で授業が決められるのではなく、教員同士、教員と生徒、学校のミッションなど、様々な要素を勘案しなければいけない苦しさに実感があるかないかの差である。そのような微妙な関係性を踏まえても、「それでも学びの主人公は!」と選び取っていく決意が、授業をどう作るかという「観」に繋がっていき、ただ表面的に「自由に授業を任せた」を越えて、一年間なり三年間なりの見通しのある授業づくりになっていくのではないかと思う。

この「学びの主人公」という言葉をどのように感じているのかということについては、結構、教員と学生で差は大きい気がする。いや、教員同士でも「活動すれば意欲を喚起できる」だとか「アクティブラーニングをすると生徒は寝ない」だとか、そのレベルのメリットでしか「生徒主体の授業」を理解しない人は少なからずいることを思えば、同じ言葉でも、どこまで含意があるのかを話し合うことに意味があるだろう。

教育実習で実際の生徒を相手にしたあとに、「学びの主人公」という言葉に対する価値観がどのように変わるのか、ぜひ聞いてみたいですね。

 

国語科の観点から

 

あまり自分がインプロに詳しくないので面白いことは書けませんが……。

今回のレポートから見える、この授業のよいなぁと感じるところは「全員に役が与えられ、自分のセリフと物語全体とをみんな必死で考える」という点です。どこまで学生さんがよさを感じているかを聞いてみたいところですが、「全員」が役割を持って協同しながら、なおかつ自分の「個」の役割、学びがあるという「仕掛け」になっていそうな点が非常によいですね。

グループ学習、協同学習を行うときに、割と多くの場面でぶつかるのが「フリーライダー」が出てくることや「仲よくやっているけどそれぞれの個が何を学んだかよく分からない」ということです。

今回のインプロの授業だと、割と無茶ぶりでハードルは高いように思いますが(こなせてしまうのはさすが横国の学生!)、そのハードルを乗り越えてインプロに取り組めるならば、「協同と個」の両方が上手く実現できてくるんだろうなぁと感じます。

「グループワークって実際人に頼ってしまうことも多いのかなって思うけど、グループで活動しながらも全員が主役になれる学びを実現してくれた」という学生さんの感想はそのことを上手く的を射ている感想であると感じます。

話は脇にそれますが、授業のインプロはとても楽しかったみたいですね。そのおかげもあって、どんどん活動にのめり込んでいるんだろうなぁと伝わってきます。国語の授業づくりにおいては、「素材」のよさは大きな決め手になります。30秒という制限の仕方や「桃太郎」という誰でも知っている素材から面白くなるような配役の置き方などがよかったのだろうなぁと思います。

こういう嗅覚のある人は羨ましい。自分はどうも素材への嗅覚は鈍いので物量に頼りがちなのです……。模擬授業の設定が「自分の好きな・得意な言語活動で」というルールになっているところを踏まえると、きっとインプロのような言語体験をしたことがある人なんだろうと思います。そういう豊かな体験のある人が羨ましいです。

 

まだまだ続けていきます

 

次回はもう少しペースアップして書ければ……。

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