ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

私立中高一貫も変わりつつある

週刊東洋経済 2019年7/27号 [雑誌](中高一貫校)

週刊東洋経済 2019年7/27号 [雑誌](中高一貫校)

 

体調が優れないのでグダグダと雑誌を読んでいるうちに一日が終わる。

今週の東洋経済がこんなテーマで特集していたのでご紹介しておきます。

私学の人気は偏差値だけではなく……

私学に努めているからこそ、募集活動などのお仕事もあるので、こういう記事を読むと色々と身につまされることもあるが……そのあたりは体調の良い時にでも…。

ちょうど、今の時期は大学入試改革の影響もあって、再び、私立の中高一貫(厳密にいうと公立の中高一貫のほうが一層)の人気が上がってきているという。しかも、旧来の伝統学校が必ずしも人気集中という訳でもなく、中堅どころの学校であっても、様々な形で工夫をしている学校が著しく人気を集めている。

自分が私学に努めているので、具体的な名前を挙げてあーだこーだと論じるのは憚られるのでやらないが、人気のある学校はきちんと強力なビジョンを持った人がリーダーシップを発揮して、学校ごと変わろうとしていると傍から見ていてよく分かる。逆に低迷している学校は、こういう雑誌の記事を後追いするような形で、何も考えないで小手先でコースを新設したりタブレットを全員に持たせたりするようなやり口を平気で取る学校だよなぁ……なんて感じる。

保護者と接する機会は少なからずあるので、保護者が学校に望むことが単純な学習指導だけではなく、自分の子どもに豊かな経験をさせてくれたり、丁寧に理解してくれたりすることまで含まれていると感じる。ただ、教えて勉強させればいいだろ、というような時代ではないのである。

大学入試改革への漠然とした不安

今回の特集号の後半は大学入試改革の特集になっている。

お馴染みの記述問題の話や外部検定試験の話であるが、ここに来て、制度の不安を指摘するような内容が強くなってきた。ポートフォリオについて、現場の混乱を紹介した記事や、巻頭の苅谷剛彦氏のコラムが「記述問題への不安」を論評したものであり、その不安の本質が拙速さにあるという議論は、広く読まれることが期待される。

こういう入試に対応できますよという姿を見せている学校は確かに人気が集まっているが、入試対策を自分の学校の改革の理由にしては、ちぐはぐになるに決まっているのである。

確かに、数十年も同じ教育をしていると、自分の学校のシステム自体が制度疲労してしまう。だからこそ、柔軟に時代を先読みして変えなければいけないことは多い。しかし、それは入試が変わるからではない。入学してくる生徒と社会から期待される学校の役割と自分のところの人員の変化があるのだから、宣伝のために目新しいことをやるのではない。

時間をかけて自分の学校の現状を改めて見直すことが必要なのだ。

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