掛川教育フェスに行ってきました。6時間近い長丁場でしたが、あるものが非常に多い1日でした。
当日の様子は以下のサイトから見られます。
温故知新のよさがある
今回の会場は掛川の大日本報徳社という場所でした。
掛川の教育の伝統の中心を担う場所で、新進気鋭の試みを実現したことに、部外者の自分であっても、しみじみといいなぁと感じるものがありました。
開会式で周りを見渡すと、色々な世代の方々が一つの講堂にひしめき合っているという光景は、なかなか刺激的でした。
もちろん、教員の割合は多いのでしょうが、家族連れや教育とは無関係な企業の方々、大学生に高校生と、まさに「社会に開かれた教育」が体現されたような光景に感じます。いや、そんな飾り文句でしたり顔するのは良くないですね。教育に対して、当事者意識を持って、みんなで色々とやってみようという生きた活気を感じました。
これは連れてこられた研修では当然ありえない空気であるし、同質性の高い人たちが集まるだけではでない空気である。全然立場が違うからこそ、変に牽制しあうような緊張もなければ、ワークショップも本当にただの参加者として楽しめた。
こうやって地域の学科や教育に繋がっていく人たちが増えて、教育は支えられるのかという未来の姿を感じました。
ワークショップが楽しい
1番目のワークショップは都留文科大の野中潤先生の「Google for Educationで遊ぶ×学ぶ×つくる」でした。
参加者が直感で選んだ「QRコード」つきのキーワードが書かれたカードで集まり、QRコードの先の動画を見て、その動画を見てもらえるようなポスターを作るというものでした。
これは

学びの質を高める! ICTで変える国語授業 ―基礎スキル&活用ガイドブック―
- 作者: 野中潤
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2019/02/07
- メディア: 単行本
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でも紹介されている実践ですね。具体的なイメージはこの本を読んでもらうとよいですね。
実際にワークショップで立案して作成するまでの時間は30分くらいしかなかったのですが、成果はこんな感じになりました。
時間がない中、頑張った(笑)。ちゃんと時間をかければ上手くやれるはずなので、クオリティはご愛嬌。
自分で実際に頭をひねってやってみるというのが大切ですよね。どんな刺激があるか分かりますし、自分が授業するなら何を工夫しようかと考えることもできます。
動画を授業の素材に使うって、本当に面白いです。
二つ目のワークショップが三時間の長丁場。「動画で魅せる!掛川プロモーションプロジェクト」という聖徳学園高等学校の品田健先生と近畿大学附属高等学校の乾武司先生のW-Takeshi(注:ご本人たちの自称ですから!自分が作ったわけではないです)で動画作成のワークショップでした。
こちらは、iPadを活用して、実際にグループごとにロケハンと動画作成という講座でした。
こういう綺麗な建物が多い会場でしたから、動画もなかなか様になります。
グループ分けは
というサービスを活用しました。これは初めて知りました。自動にグループ分けが出来て、その上でチーム対戦で確認テストができるという面白いサービス。
グループ分けのあとはiMovieでクロマキー合成を使ってみるということが今回のワークショップのメインでした。
クロマキー合成とは
https://pacamera.org/iphone_imovie_chromakey/
このあたりの記事がわかりやすいのでご覧ください。要するに、グリーンスクリーンで動画を取ると、グリーンの部分が透明になり、別の動画の上に重ねられるという合成です。
これがなんとiPhone、iPad一つで出来てしまうという衝撃。
各グループがそれぞれに趣向を凝らして、見事な動画を作っていました。
つくづく、iPadを、Appleのアプリを使って思うが、詳しく説明されなくても、弄っているうちに色々なテクニックに自分で気づいて、できるようになってしまうのである。
この使いこむと自然に出来るようになるインターフェースは、授業で当たり前に使うようにするためには強烈なポイントだよなぁと思う。
かつてWindowsメディアメーカーでひたすら地道に動画を作って、しかもあまり高度なことはできなかったことを思うと、恐ろしい隔世の感がある。Windowsメディアメーカーを使ってたの10年前までいかないのに!
パネルディスカッションが物足りない!
このフェスの最後は、野中潤先生、品田健先生、乾武司先生、吉川牧人先生によるパネルディスカッションでした。
それぞれの先生が、それぞれの立場から、問題意識と熱い想いを持ってのディスカッションでした。
フロアからの質問は
Slido - Audience Interaction Made Easy
というサービスを活用して集めていました。このサービスは、たまたま前日に教えてもらい、使ってみたいと思っていたところなので、実際に使ってみて、その双方向性を体感できたのは良かったです。
ディスカッションの内容について、詳細な紹介はしませんが、パネラーの先生方が共通して持っていた意識について一言でまとめるならば、「ICTがあって当たり前になる世界に生きる生徒に何を学校はしてやれるのか」ということのように感じます。
ICTを毛嫌いして自分の成功体験だけでそこそこうまくいく授業をしていて事足りるのか、もっと広く可能性はないのか、もっと広く楽しめることはないのか、そういうどちらかといえば「ワクワク」や可能性への期待から、どんどん可能性を切り開いていらっしゃるんだなぁと感じました。
そんなパネルディスカッションですから、たった1時間しかないのは物足りなくて仕方ないです(笑)。
二学期に何を始めるか
祭りが終わって、さて自分が何をこれから自分の持ち場に戻って始めましょうか。
切実な問題として、個の力ではなくて、学校として、どこを向いてやっていくのか、そのために自分は何を提供できるのか。
不満を言ってもダメだし、成果を焦ってもダメ。だからといってのんびりとしてもいられない。
祭りのあとは実戦に戻るのである。