入試改革について世間が騒がしいところですが、既に始まっている入試改革もある。
私学定員厳格化である。
「A判定でも落ちる…」今年も私大入試の難化が止まらなかったワケ(田中 圭太郎) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
非常に厳しい2019年の入試を受けて、2020年入試に向けての受験生動向を聞きにくる出張だが……いやはや、入試はかなり厳しい。
データを丁寧に…
あまり細かいことを論評する気は無いし、そういうブログではないので深入りはしないけど、これだけ大変なデータを眺めると少しは書いておかないといけない気がするので、少しだけコメントしておこう。
第一に口を酸っぱく言っておきたいのは、とにかく「データを見よ」ということである。一昔前の感覚で舐めてかかると、全く戦いようがない入試になってしまう。完全に私学定員厳格化の影響を受けて、合格の仕方が一昔前とは別物になってしまっている。
特に、ベテランで慣れている教員ほど、この実態をちゃんと見つめておかないと出願させる大学の数や、併願のレベルを間違えてしまうだろう。具体的な数字を出すのは憚られるので言わないが、ちゃんとデータを見ないと下手すると偏差値が10近く、感覚とズレるような大学があるだろうと思う。
経験則で語らずに、必ずデータを見ないとダメ。受験生の方も、自分の目でデータを見て納得して出願しないと、死屍累々に…。
一方で、難化が落ち着いている大学もあるので、必要以上に弱気になっても思い通りにはならないだろう。チャンスを逃してはいけない。
もう、とどのつまり、データを見てどこで勝負をするのかをよく考えないとダメですね。
制度の複雑怪奇さ…
入試の合否がよくわからん事になっている原因のもう一つが、入試制度の複雑化である。科目数が違ったり英語外部試験利用があったりセンター利用があったり……どれかの制度が志願者爆発してキツイ戦いになることもあれば、ポッカリと見落とされて緩い入試になることもある。
嫌な言い方であるが、受験料出せるなら、五月雨式に打った方が受かる可能性がある。完全に資金力勝負である。
英語外部試験利用の非難の一つとして、格差の拡大ということがあるけど、私立大学のこの複雑怪奇な入試制度も、生徒への金銭的な負担も大きくなる。あまり指導していて面白いものではない。
人が集まりやすい入試制度はわかっている。入試科目が少ない入試である。うーん…そんなに勉強することにキャパシティがないのに、大学にいって大丈夫なのでしょうか。余計な心配かもしれませんが。
甘い話はないのです
一般受験がそんな調子だから、年内入試を志願する生徒は増えるが……詳しいデータは見えてこないが、去年のことを言えば、その層が一割は増えている。激戦である。
しまいには、どこでもいいから合格するまで出願するなんて受験をしている生徒がいるけど……結局、大学が続かないのである。
何のために大学に向かっていくのか。中退してしまうことのダメージの大きさをちゃんと教える方も指導しないと本当にダメである……責任が重い。