ついにPISA2018の結果が出ましたね。
今回の大きなトピックとしては
- 読解力の順位が大幅に落ちた
ということに集約されそう。
ただなぁ…参加国数が違うし、CBAであることが影響しているとかいないとか、色々な複合的な理由があるし、また、そもそも順位自体にそれほど大きな意味がないのと、得点も標準化されたものであり、単純な粗点ではないので……急落だとか後退だとか書いている新聞社はそれこそ読解力がないのか、世の中を煽りたいのか…。
詳しいまとめは
色々な新聞記事などのリンクは既に寺西隆行さんがまとめられています。
PISA2018速報まとめ
— 寺西隆行 (@teranishi) 2019年12月3日
▼国立教育政策研究所https://t.co/OIVL7KJbHB
▼日経
日本の15歳「読解力」15位に後退 デジタル活用で遅れhttps://t.co/AU7M0N4hMk
▼朝日
日本の15歳、自由記述苦手? 国際調査で読解力低下https://t.co/LQ58DyjpDG
(続)
ふと思ったが、各社の見出しを読み比べさせる授業なんて面白くない!?
また、内容面についてもすでにid:Yacchaeさんが
とまとめていられるので、自分としては今のところちゃんと結果を読めていないのでこれ以上の言うことがない。
PISAの読解力の定義
なお、PISAの読解力は一般的にイメージされる読解力とはやや異なる。
自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,社会に参加するために,テキストを理解し,利用し,評価し,熟考し,これに取り組むこと
問題例はリンク先から見ることが出来るのですが、まあ、見て分かる通り、かなり一般的な国語とはイメージが違う。
どちらかと言えば、現在進行形で悪名高い、大学入学共通テストの傾向に近い……というよりそれは因果が逆か。PISAがこういう方向にあるのを踏まえて、大学入学共通テストもそちらに寄せられている状況であるが……色々と行き詰っている感じである。
とはいえ、大学入学共通テストも新学習指導要領の「現代の国語」も「論理国語」もPISAの方向へと向かっているのは間違いないだろう。
国際的な学力観はすなわち経済的な競争力を連想されやすい。だからこそ、政治的にはこちらの方向に寄っていくことになるのだろうし、その政治力学を押さえておかないと、良いものは良いだとか国語とはかくあるべしだとか、そういう価値の話などをしても外部には伝わりにくいし、論理の定義うんぬんに論敵が乗ってくる訳もないのである。
あまり人材人材いうのも気持ちの良いものではないが、一方で、経済の中を生きていく子どもたちを育てる立場としたら、こういう動向も無視できない。
まあ、極点に変なことを言っているとも自分は思わない。PISAの問題については「三角ロジック」などの実践で、よい形で授業の提案もありますし。
やれることを地道にやるだけです。高校にいると入試のことばかり言いがちですが、生徒は入試の先まで生きていくのですから。
あと、ICT活用の低さについては、また別の機会に。
余談
どうてもいい話ですが、三年前にPISA2015についても記事を書いてました。