曜日感覚が何だか怪しくなってきた今日この頃です。
また、明日から休業の一週間が始まります。来週に入ると成績関係の処理もだいぶ落ち着いてくるんじゃないでしょうか。
時間ができたときに、高校の教員としてやっておいた方がよいだろうことが「大学入学共通テスト」の分析です。
まずは問題に目を通すところから
休業で仕事が済んで余裕が出てきたら、高校の先生方はそろそろ共通テストの分析にかかった方が良いでしょう。おそらく、ここから中止になることもなければ出題傾向を変えることもないでしょうから、生徒たちに不安を与えないためには、4月から適切な情報提供ができることが必要でしょう。
— ロカルノ (@s_locarno) 2020年3月8日
色々と炎上している大学入学共通テストではあるが、ここまで来たら次年度は大学入学共通テストが実施される前提で準備しないと生徒に要らぬ不安を与えることになる。
センター試験の過去問を解いているだけでは、あれだけ傾向が変わってしまうと対応することは難しい。だからといって、市販の参考書もイマイチどれもバラバラしていて、当たればいいけど外れた日には目も当てられないのである。
生徒に何かを伝えるのであれば、それ相応の責任が必要である。実際に教える教員が問題を自分で解いて、そこから普段の授業で何がカバーできて、何を自分で頑張ってもらう必要があるのかを冷静に伝える必要がある。先入観と思いつきで勉強の方法をいうことほどよろしくないことはあるまい。
共通テストの分析については、各予備校などもそろそろ本腰を入れて説明会などをやっている印象を受けるが、その内容をただ持ってきても自分の学校のカリキュラムとかみ合っていなければ、生徒に上手く伝わることもなかろう。
各教科を巻き込んで
その時にオススメなのが、時間があるからこそ教科横断でやってみることです。改革の当初にあった「科目横断」の話は消えていますが、資料の使い方や文章の素材によって地味に残っているような印象を受ける。他教科の問題でどのような出され方をしているかを見通せる方が良いだろう。
— ロカルノ (@s_locarno) 2020年3月8日
自力で全教科やるのはしんどい。だからこそ、色々な人を巻き込んで分析していくことが大切。入試の方で科目横断できないからと言って、学校の授業が科目横断しないことに付き合うことはないのです。学びを深められるなら、どんどん科目横断すればよいのです。
— ロカルノ (@s_locarno) 2020年3月8日
共通テストは、数学と国語の問題に記述が入る程度の認識のされ方をしているが、実は全教科全科目大幅に様子を変えている。このあたりの認識がどうも記述式のおかげで伝わっていない気がしている。
結果的に、その内容に対応しようと思うと、授業だってこれまで通りとはいかない面もある*1。
むしろ、そうやって外圧的に変わるときに、教科を一気に横断して自分たちの授業で何をやろうかということを話し合うのがよいのではないかと思うのである。なかなかこういう機会がなければ他教科の入試問題をじっくりと眺めようという余裕がある人は多くはなかろう。
共通テストで出題されるから…というわけでもないが、「他所の教科でこんなことが出るならうちの教科はこれをやるよ」みたいな話ができてくると、職員室の風通しも良くなるだろうし、授業研究にもなってくるはずである。上手く協業できればやれることも増える。カリキュラム・マネジメントである。
— ロカルノ (@s_locarno) 2020年3月8日
色々な科目のつながりを見つけて、授業に色々な幅を持たせられるといいなぁと思うのである。というか、本気で他教科と上手く連携していかないと、新学習指導要領から高1では2単位科目となる「現代の国語」と「言語文化」は授業数が足りなくて何一つ力を伸ばせないで一年間が終わってしまいかねないぞ!
まあ、それはおまけみたいな話なのでよいのですが、いずれにしてもこれまでの教科の縄張りでやることから脱出するチャンスなんじゃないかなぁと思っているのです。
おススメの方法は
大学入学共通テストの試行調査の問題は、問題集になっています。
ただ、こういう問題集を持ってきて議論するよりも、実際に大学入試センターからPDFをダウンロードして印刷した方がいい気がしています。
というのも、問題集の形に製本してしまうと、自分のところしか読まないのと、余計な解説やらが結構鬱陶しい。
実際に問題を解かないとしても、広い教室で問題を並べて一望することで、他教科の状況や入試全体で通底している思想などが見えてきやすいように思います。
まあ……ちょっと枚数が多いから大変なのですが。
*1:結局、受験が変わるから授業が変わるという……