ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

授業見学の勘所

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教育実習も盛りである。実習生の授業見学が増えている。様子を見ていると、授業をどう見たら良いか迷っているようで…。

授業の見方には…

授業の見方に別に流儀があるわけではない。社会学のフィールドワークのような、質的にどういう記述をすれば良いか…のようなルールも、堅苦しくはあまり言われない。

もちろん、だからといって何でもありという訳でもなく、それなりに授業を見取るのが「上手い下手」はあるように感じる。名人が授業を見取って述べるコメントの鋭さは……もう、何だろうな、あれは。鋭く切り込まれる感じがある。

2年前の本にもなるが、このコロナ禍において一層、授業記録の読み書きの価値が上がっているようにも思う。実際の授業見学に行くことが難しくなっているからこそ、記録から読むという行為の価値がある……と、話が脱線するのでこれくらいにしておこう。

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この「授業記録」にも、自分にとって読みやすいものと、読みにくいもの、頭に貼ってくるものと頭に入ってこないものがある。

その違いを知ることが、まずは自分の授業観に気づくための第一歩のように思う。実際の授業に入る前に、自分の目が何処についており、何に興味を持っているのかということを知ることが重要だろう。

そうして、実際の授業の際には、自分の問題意識に合せて見れば良い。

ただ、そうはいうものの、そこまで、なかなか大学生が授業に対する問題意識を持つことは難しいと言うことも事実であるので、個人的なポイントを書いてみようと思う。

授業見学は生徒ではない

難しいところだが、「生徒目線で授業を見たとしても、自分自身が生徒として参加してはいけない」と思っている。もちろん、授業を公開している意図にもよるところはあるので、一概にはそう言えない部分もある。

ただ、一応、教育実習生として、もしくは授業参観者として、誰かの授業に参観すると言うことは、自分の授業の研究改善に活かすためである。つまりは、授業研究なのである。

何かをちゃんと「研究」しようとするのであれば、やはり自分自身が「生徒の目線」に立ったとしても、「生徒になってしまう」のでは困るのである。

むしろ、授業者の目線に立って、授業の雰囲気に浸りつつも「観察」する目で俯瞰する意識は必要である。

生徒を引きつけたり、きちんと意図を伝えたりする教員の話術は間違いなく一芸であるし、生徒の学びに対するレディネスに併せて立ち振る舞いを刻々と変えている教員の対応力など、見るべきものはいくらでもあるのである。生徒と一緒になって教員に乗せられていたら、「技術」に気づかないだろうと思う。

些細な変化を見逃さない

これは、学生と一緒に授業のビデオを見る機会があって気づいたのだが、現職の教員が同じ場面の動画を見ていて、生徒の表情の変化に一斉に気づいたのに対して、学生はその変化に全く気づかない…ということがあった。

非常に個人的な体験であるので、一般化して話すことはできないとは分かっているけど、それでも鮮明に覚えているくらいに、教員と学生で見えているものが違ったのである。

その違いを一言で言うのであれば、子どもの表情への着目である。「子どもの誰かが変わるからね」と予告されても、どの子が変わるかということになかなか気づかない。「この子が変わるよ」と言われて見直してやっと気づく。

おそらく、現場の先生は子どもの不安や自信のなさなどをあらかじめ感じ取っているし、その子どもの不安が解消されて「出来た」と力がついた瞬間に敏感に反応しているように思う。

たぶん、それは毎日、長い時間子どもと過ごしているから見えるものであるので、実習期間に一朝一夕に身につくものでもない。

ただ、何度か授業に参加して細かく記録を取っていけば、そういう変化に気づける場合もある。

単元を通じて、どのように変化をしていき、どの瞬間に力がついたのかを見つけられれば最高だろう。

授業の意図はあらかじめ聞く

授業見学をする前に、漫然と参加してもあまり意味が無い。授業は1時間で完結することはほどんどなく、単元として構成されている。だから、どういう単元の何次・何時でどういう意図を持って取り組んでいるかなどを聞いてから参加した方がよいと思われる。

もちろん、授業後には何を差し置いても、授業見学させていただいた先生のところにお礼の挨拶と感想戦はしに行くべきである。次の日にするなんてもってのほかである。毎日、戦場なので前の日のことを言われても、あまり愉快なものではない。

一つでも生徒の変化を授業者と共有して、話すことが出来れば、それほど有意義な授業見学はなかろう。

生徒の変化に気づけるようになったら、楽しいものですよ、教育って。

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