ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

【スポンサーリンク】

評価だよなぁ…

f:id:s_locarno:20201205193555p:plain

学期末なので、評価などの話題も色々と出てきます。また、今月の『国語教育研究』No.584は「新教育課程における国語科の評価」とが特集です。

色々と思うところがある。

評価の意味が噛み合わない

中学校からは次年度から、高校では新学習指導要領高等学校の開始となる再来年度から、評価の仕組みが変更になる。そういう事情もあって、あまり普段は話題に挙がらない(のもどうなんだ?)「評価」についての話が、色々なところで聞かれるようになった。

ただ、やはり根本的に苦しいなと思うのが、「評価」というと、「生徒に成績をつけて順位付けする」という意味以上になっていかないことである。今

今回の評価の方法の変化…特に高校の観点別評価の導入についても、「結局は考査の点数で決めるんだから、面倒な仕事が増えた」くらいの認識が大いにある。観点別評価が「授業態度で成績を決めて良い」くらいの理解である場合も…。

「評価」について、「評定」と「評価」の違いや「診断的評価」「形成的評価」「総括的評価」などの違いを細かく追及しても、年がら年中「それどころではない」という学校現場においては、煩がられるだけでよい影響を与えられる見込みは薄いので、焦らずに分かりやすいところでジワジワと取り組んでいくことになるのだが、むしろ、そういう「評価を充実させましょう」という時に、「公平じゃないと困るから考査の点数を重視して当たり前」とあらゆる工夫を吹っ飛ばして、ペーパーのテストだけを重視したがる背景には「指定校推薦」絡みの話が大きいのですよね……。

いや、理詰めで考えて行けば、観点別評価の数値と考査の点数とちゃんと連動しなければいけないし、観点別評価についてもちゃんと公平性が担保できるくらいに教科内や教員間での議論が尽くされていなければならないけど、「考査の点数」がインパクトある公平な指標…と見えるのでしょうね。

推薦入試絡みの話はナイーブである。

だから、観点別評価をするために、考査の設問ごとに、それぞれの観点の配点を決めて、その点数で観点別評価を出そう……なんて話も見聞きするのだけど、もはや、それは観点別評価ではないでしょう…。一部でそういう工夫があっても良いけど、全部をそうして決めたら評価が滅しているよ…。

難しい話はおいておいて

現実問題として、いきなりパフォーマンス評価や逆向き設計などを誰もが気軽に、ちゃんと運用でいるようになる……ということはあり得ない。それどころか、そういうことをちゃんと勉強する時間すら取れるのか怪しい。

この二冊でだいたいOKと言えるくらいには、エッセンスは本になっているのだけどなぁ……なかなか、それを実践の場で勉強し合いながら詰めていこう…とならない余裕のなさがある。

あ、この手の研究会だと、近々、E.FORUMの講座がありますね。

E.FORUM2020 連続研究会「学校教育における ICT 活用」

ちょっと予定が読めないでまだ申し込んでいないけど、オススメです。

話が逸れたので元に戻そう。

何のために評価なのかということやどうしたら評価を実践に意味のあるものとして理解してもらえるのかということを考えるために、今月の『国語教育研究』の東京学芸大学の中村和弘先生の記事は受け入れられやすいのではないかと感じる。

評価計画から授業計画、授業における評価からの授業改善の流れなどが平易に具体的に書かれているので、「評価ってどうするんだろう?」「なにを評価すれば良いの?」「評価したらどうするの?」というような疑問に対する一例として、紹介しやすい気がする。

個人的には、中村先生の最後のまとめが好きだ。

国語単元学習の実践には、こうした子ども自身が学習計画を立てたり、試行錯誤しながら追究したり、その成果を様々な方法で表現したりする実践が数多くある。子どもの「学習」の成立を大切にする国語単元学習では、それらはいわば当たり前のこととして、実践家から実践家に時代を超えてバトンタッチされてきた。

あらためて、そうした実践の価値を再認識するとともに、新教育課程における国語科の授業の評価の実際を考えるにあたっても、さらに参照していきたいと考える。

(中村和弘(2020)「学習消化の在り方から国語科の授業改善を考える」『国語教育研究』Np.584 P.9)

現場は時間が無い、難しい、やれないというのだけど、過去の実践、現在の新進気鋭の実践、色々な研究会の実践……そういう中に、自分のやってみたい授業のお手本、可能性となるような実践は見つかるものである。

ゼロから始めるのではなく、これまでの工夫を活かして、今の自分のいる場所を、今よりも少しでも良くしようとする営みなのである。

何でもかんでも新発明しなくて良いのだ。真似から始めてみて良いはずだ。

必要なのは、少しの挑戦の気持ちである。

現状維持の圧力は強力だけど…。

Copyright © 2020 ならずものになろう All rights reserved.