昨年度末からデジタル採点が導入された勤務校。
色々な会社がデジタル採点サービスを提供し始めているので、どこがよいかということはイマイチまだ良くわからないけど、とりあえず、何かが入ってきたのでやってみることにした。
記号の採点は一瞬
採点していてすげぇ!と素直に感心するのがAIによる記号問題の自動採点である。色々と細かい制約があるのだけど、生徒に予め注意喚起をしておけば、AIによる誤認識はほとんど起こっていない。パーセンテージとしては数%といったところ。
今まで一枚一枚めくって採点していたものが、眺めているだけで得点計算まで含めて終了になっているのだから、もはや感動以外にいうべき言葉が見当たらない。
これで漢字の採点もAIになってくれたら楽なのに……と思うが、さすがにそこまでは認識がうまく行かない。とはいえ、生徒の答案が設問ごとに切り出され、同じ設問が一覧に並んでいるものを選択して採点していくので、採点の速度としては従来の比にならない。
ご飯を食べながら、片手で作業していても出来てしまうという気楽さがある。繰り返しになるが、それで得点の集計まで同時に終了しているのでとにかく圧倒的に作業が早くなっている。
感覚的には100枚の答案で10枚くらいの漢字の答案を採点するのには、ものすごく集中してテンポよくやっても50分くらいである。そこまで集中力が持たないので実際はもう少し時間がかかるはず。
それがながら作業でやっても10分かからないのだから、おそろしく早い。記号問題はAI採点なので30分が5分くらいになった感覚である。
シンプルな採点間違いがなく、計算ミスも起こらないことを考えると、圧縮されている時間が非常に大きい。集中力は有限である。採点にかかる時間が減るだけ、ケアレスミスは消えるのである。
記述問題はかえって時間がかかる?
記述問題の採点自体は手でやったほうが遥かに早いですし、自由度が利きます。正直、細々とツッコミを入れるのはパソコンでやるのは面倒である。思い通りにならない操作性である。
また、同じ画面をジッとにらみ続けていることでメチャクチャ目が疲れます。紙で採点しているときよりも時間がかかる気がするし、集中力が持たないで休憩が多くなる気がします。
ただ、メリットも大きくて、同じ答案を一覧にして串刺しで採点できるのは基準がぶれないのもよいですし、後から同じ部分点をつけた答案を一覧で表示して、比較検討するということができるのもGOOD。
まあ、採点時間自体はかなり長くかかると感じますが、その後の集計作業を考えると、おそらくトータルの手間はトントンな気がします。
なんといっても記号の採点が人間離れして早いので、記述で多少の手間が増えても、全然、収支は合うでしょう。
集計こそが本領
機械的な採点だからこそ、採点が終わってからの作業がメチャクチャ楽になりました。これまでは人力で設問別の正答率を出していた自分としては、採点と同時に設問別の集計が終了していることもありがたい。
また、成績分析する機能もあるので、自分の作った設問がちゃんと生徒の成績の弁別が出来ているか、ただの悪問なのかということが一目瞭然になることもびっくり。
生徒の提供するデータにも、偏差値や度数分布が一瞬で出来上がっているのも強力。自分でエクセルでわざわざ作らなくて良いというのが非常に楽なのですよ。
これにあとは校内のシステムがもう少し整ってくれば、二度手間になっている作業が減らせるのだが……。