6月は教育実習の季節ですね。
この記事を書くには少し時期が遅い気もするが、まあ、後期もあるということで。検索の流入を見ると、教育実習ネタで当ブログに来てくれる人もいるようなので。
同じようなネタを書いていましたね。
まあ、同じネタでも定期的に書くと自分の考えの変化の確認にもなるのでよいとしよう。
授業者ともっと話すべきでは?
ここ数年で、一層、強く感じるようになっていることとしては、実習生が授業見学する際には「授業者にあれこれと話を聞く」ということをもっとした方がいいのでは?ということである。
コロナの影響もあって、授業の見学に行くこともあまり出来なくなってしまっている世の中なので、一層に、この短い実習の期間で得るものを増やそうとするのであれば、現場の先生方に色々と話を聞くということに時間を割いていいのではないかと思うのである。
自分も歳を取ってきたから嫌味なことをいうが、実習生が実習生で集まって、実習先で雑談していても得られるものは何もないのである。授業の相談を学生同士でするよりも、現場の先生に聞きに行った方が時間の使い方としては利口である。
特に授業見学をするのであれば、授業の前に授業の見所をちゃんと聞いておくべきだし、その見所を踏まえて見学した感想を授業の後に授業者と話して、自分の授業を考え直すべきだろうと思う。
人の授業を見るということはとても難しい。公開研究会などで授業を見学に行く時も、学習指導案をよく読んだ上で、教室の子どものを様子を必死に見ながら、授業のポイントや良さを探そうとするのだけど、何年やってもこれがうまく出来たなと思ったためしがない。できれば授業前に授業について話しておきたいといつも思うのである。
特に、今の授業は「パフォーマンス課題」も多くなっていることもあって、実習生が生徒だった頃の授業とは全く違うことが展開されている可能性が高い。
自分の持っている授業観だけで授業を見ていると見えないことが非常に多くある。
ぜひ、その先生がどのように授業を変え続けているのかということも含めてお話を聞いてみるのが良いだろう。
授業を受けているのではない
母校で実習している学生がやりがちなのが、童心にかえって自分も一緒に授業を受けているような見学をしてしまうのは…悪いとまでは言えないが、よろしくはないとは思っている。
授業が上手い先生の授業を見学していると、つい自分も授業を受けているかのように惹き込まれてしまうのだけど、そうやって自分が授業に夢中になっていると、授業によって生徒がどのように変容しているのかという、子どもの姿に目が行かなくなる。
本当によい授業では、一時間の中で生徒がびっくりするほど変容する。ただし、全員が一律に変容するわけではないし、タイミングは子どもによってバラバラである。その変化の瞬間を見落とさないでいられるかは、生徒の様子を俯瞰的に見る意識がないと難しい。
自分が授業見学に行っても、それほど上手く成長する生徒の瞬間を見取ることは出来ていないのだが……それでも、生徒の顔が変わった瞬間に気づく確率は実習生よりは高い自信はある。
以前に、生徒の授業の様子を学生と現場の先生で見比べるということをやったことがあるが、学生がまったく見落としていることを、現場の先生はちゃんと高確率で気づいていた。なかなか言語化したりエビデンスを示したりすることが出来ていない話ではあるのだけど、毎日、子どもたちの中で生活していると、教員間で何となく共有されている目の付け所はあるのである。
それは経験を積まないとなかなか気づかないことであるのは間違いないだろうから、実習中は意識して授業中の子どもたちの一挙手一投足に目を向けることが大切なのだろうと思う。
そのためにも、授業前に授業者とよく話しておいて、注目すべき点を明らかにすることが大切なのだろう。
実習は忙しい
そんなことをしていたら、休む暇が無いじゃないかと言われそうであるが、この世の中の風潮を無視していうならば「そりゃあ、そうだろ」である。
学校にいる時間がたった3週間しかないことを思えば、退勤時間までに多くの先生や子どもたちと会話して、自分の授業をどうしたいのかを練り上げていたら、もう、てんてこ舞いになるしかないのである。
中高であれば、授業の空きコマもあるだろうが、そういう空きコマにお茶を飲んでいても仕方ないのである。授業を見に行った先生に話を聞いたり、授業の相談を色々な人に聞いたり、生徒の様子を見に教室に行ったり……そういう時間の使い方をせざる得ない。
休憩するなという話ではないのだが、ちゃんと見るべきもの、話すべきものが多いと言うことを自覚して時間を使うべきなのである。
実習前に授業準備しておかないと……泣きを見ることになるよ!