ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

中学国語の授業づくりの強い味方に

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楽しみにしていたシリーズが届く。

学年ごとの定番教材について「作品の基本事項の解説」+「実践例」+「実践の解説」という構成。

作品解説は心強い

どのシリーズも各定番教材がどのような作品なのかという典型的な解説やこれまた実践として典型的で安定的な授業づくりのポイントをこれでもかというくらいにコンパクトに書かれている。

教科書の指導書にも同じようなことが書かれていると言えばその通りではあるけど、指導書よりも幅広く、個性的な観点で書かれているものが多いので、教材研究の定番としてこれからずっと手元に置いておきたくなるシリーズだと言ってよいだろう。

似たようなシリーズとしては

このシリーズが近いだろうか。これはどちらかと言えば、文学の立場の内容に比重が置かれているので、自分のような文学の素人には読むのが難しい。また、解説も標準的なものに限らずに、挑戦的なものもあるので、何が良いのか悪いのかが自分のような門外漢には以下略。

実践も今の時代から見てもなかなか尖っているものもあるので、扱いに困ることも多くある。

授業は常に洗練されていくと分かる

本書の実践は「オーソドックスな実践」から「挑戦的な実践」までよりどりみどりに揃えられている。授業づくりの方に軸足のある本であるので、実際の授業の資料も多いし、生徒の作品例も多く掲載されているので、授業の展開をイメージしやすい。

……「オーソドックスな授業展開」?と、多少のハードルの高さは感じる部分はあるが、こうして様々なレベルの授業を確認できることは非常にありがたいだろう。自分の教室に合わせて、挑戦してみたい授業のエッセンスを取り入れて、授業づくりをしていけば、きっと安定した授業が作れるように思う。

これらの本に掲載されている実践は、どこかで見聞きしたことあるような実践を洗練させた形の授業も多くある。

こういう実践例を見ると、日々、色々な教室で実践を工夫して取り組み、実践を進歩させている人が数多くいるのだと感じる。しかも、何か既存のものとは全く違うような実践ではなく、多くの人が挑戦し、少しずつ洗練されてきた実践というものの価値を感じる。

何か実践をしようと思うときには、きちんと多くの人の挑んでいる実践を大切に、再試することにも意義があるのだ。

夏休みの読書にどうぞ

時間のある時期に、こういう良質なインプットをしておくと、全く異なる授業をやるときにも漢方薬のように効いてくるのだ。

授業の観を鍛えるとは、こういうよい実践を見て、考えることなのだろうと思う。

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