ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

まずは一週間分から始めよう

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Clubhouseを聞いていてもらったアイデアです。自分のオリジナルではないです。

最近は、GIGAスクールのおかげで、様々なアイデアが書籍でもネットでも共有されつつある。

感染状況がかなり良くないことを考えると、今後、休校の可能性があるということを前提に仕事をしなければいけない状況にある。

そのような事態に陥ったときに、一年前の大混乱の手探り授業に戻らないためにも、夏休みに充分な備えが必要だろう。

ライブ授業を垂れ流さないために

やはり、去年の一斉休校時の学校の対応を思い出すときに、何度も繰り返し強調しておきたいのが、授業のライブ配信をすることが学力保障だと思うのは学習者の負担を考えていない貧困な発想だし、ライブ配信にばかりこだわるのは、ICTで出来ることの可能性を酷く狭めていることなのだということ。

授業の質の問題というよりは、学校の持てる設備や生徒の持っている設備の限界を考えると、ライブ配信は限定的かつ効果的に活用しないと、かえって学びに嫌悪感を導きやすいのだ。

家庭の中で兄弟がいれば決められた時間にライブ配信を見られるとは限らないし、カメラや回線の性能によっては画質が荒くて黒板に何書いているか分からないというのは当たり前に起こるし、機材の負荷だって半端ではない。

これも休校中の先進的な取り組みの英知だが、本気で生徒の負荷を考えて、できるだけライブ配信や解説動画を切り詰めて作成すると、従来の一斉授業よりも時間を短縮して、同じ量のことを教えられるという事例も出てきている。既にコロナの問題が表面化してから一年半以上経っているのだから、やはりこれから休校という事態が発生しても、学力の保障の根拠の薄い、ライブ配信を垂れ流すことが学力保障だと言い張るような状況は避けたいところだ。

休校は無くても

おそらく、今の学校の空気や文科省の気配だと、一斉休校という措置は起こらないと思われる。クラスターなどが発生したときに、個別に学級閉鎖や学校閉鎖が起こる可能性があるというのが現実的だろう。

一方で、学級閉鎖というレベルであれば、頻発する可能性がある。

また、なぜか誰もまともに問題解決しようとしている姿勢が感じられないのだが、教員が感染する可能性だって非常に高い。自治体によってはワクチン接種の優先権が得られることもあるようだが、なかなか平均してみると、一般の接種の順番待ちをしているような状況で、よほど都心の大学に通っている学生の方が早く接種を終えているという不思議な状況になっている。

学校の教員だから感染しない、感染するような行動したり感染したりしたら叩くということだろうか。

まあ、憎まれ口はこのくらいにして、現実的な問題として、教員だってどこで感染者、濃厚接触者判定になり、学校に勤務できず、授業がストップするということが起こるかは分からないのである。

一週間の備えがあれば

そういう訳で、実際に学校のある期間であれば、次の日から「2週間は自宅待機」というようなことは起こりえる。このような事態が起きたときに、2週間授業が止まってしまうのはやはり生徒にも教職員同士にも非常に負担が大きくなるのである。

だからこそ、個人的に提案したいと思うのが、「1週間分のオンライン授業・教材をあらかじめ準備しておくこと」である。

小学校だと全科教えることになるのでちょっと厳しさを増すところであるが、中高の教科担任制であれば、3~5回分程度のオンライン授業の素材をまとめておくだけで、かなり緊急時のリスク管理になるのではないだろうか。

100点満点を目指して、休校になった次の日からも昨日の続きをやる…みたいなことができるくらいの体制が整っていれば良いが、なかなかそこまでのハードルは越えられない現実がある。

60点でよいので生徒の学びを止めないで学習生活を継続することを目指すのであれば、現在の環境なら目指せるのでは無いかと思うのです。

例えば、そのプランを提示するならば…

  1. YouTubeにアップロードされているTry Itのような映像授業をピックアップして再生リストとして作っておく。もちろん、NHK for Schoolなどでもよい。

  2. 動画のポイントに対応するような課題を作成しておく。Googleドキュメントで穴埋めプリントを作ったり、Googleフォームで確認テストを作ったり。

  3. 「質問」の方法を明文化しておく。オンラインビデオシステムで話すのかチャットを許可するのかGoogleフォームのような方法を使うのか…など。

  4. 動画授業に対応する学校教材のページをまとめておき、宿題としてやってもらう。

このくらいのプランを3~5回分準備しておき、何かあった次の日から順番に配信していけば、1週間の猶予が出来る。その1週間の猶予で生徒のニーズや状況を見極めて、次の2週間の備えを考えれば良いと感じる。

最悪、自分が出勤できなくても、生徒が教室で自分のスマホで取り組んでくれれば、1週間なら乗り越えられるように思う。

今の学校の対応を見ていると、長くても2週間の授業を乗り越えられれば、正常化する可能性が高い。実際に休校になったり学級閉鎖になるときは授業準備だけでは無く、むしろ、ご家庭との連絡にものすごく手間が取られるし、教員も急に出勤停止になるので、授業準備どころではないのである。だから、次の日から授業が始められないか、ライブ配信の垂れ流しになりやすいのだ。

一週間分の備えがあれば、かなり現場としては余裕が持てるのではないだろうか。

休校のためのモジュールを協力して準備する

重要なのは、このようなモジュールを一人で作るのでは無く、教科や学年や職員室で協力して作っておくことではないか。

誰がいつ出勤できなくなるか分からない状況なのだから、ちゃんと多くの人が教材づくりに関わることで、誰でも代理で対応できるように考えておくことが重要なのでは無いか。

オンライン授業の騒動を見ていると、環境の問題がある一方で、共同できないでいる職員室の問題も透けて見える気がするのだ。

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