ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

カウントダウンの日々へ

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保護者会の資料づくりもあって、残りの登校数を数えたり、卒業式までの日数を数えたりしていました。

なるほど、もうカウントダウンの日々に入っているのだな。

振り向かせることなく

自分の高校教員としての仕事は船頭と同じだと思っている。対岸から対岸へ。生徒を次の場所を送り出すまでの仕事である。

だからこそ、この卒業目前の時期となって、生徒があのころはよかったとふり返ってしまうことが無いように、きちんと未練無く送り出すことを仕事としたいのである。結局、あの頃は良かったと思うことになるのは、自分の手に入れた進路に何かの後ろめたさを残すからである。振り向くことが無いような進路へと見送るのが自分の仕事なのだと思う。

生徒たちが自分自身で手に入れた進路で、自分の力でこの進路を選んだのだと思っているうちに、静かに思い出されることが無くなることが願いである。

私立に勤めているので、異動もないために卒業生が数多く訪ねてくるのが日常茶飯事な風景ではあるけど、自分としては卒業したら我々のことを先生などと呼んでくれないでもよいくらいである。もし、個人的に気が合うことや学びたいことがあるのであれば、訪ねてくれれば嬉しいが、それはそれとして、自分が巣立った場所を思い返す時間を自分の今の生活や勉強に使って欲しいと願うのである。

決して、「高校のころの方が良かった」なんて言わせるような進路を選ばせたくないのだ。

年末へのカウントダウンは早い

日が暮れる時間が徐々に早くなっている。

もう気づけば5時を過ぎるとだいぶ日が傾いている。あと半月もすれば真っ暗にもなるだろうか。

緊急事態宣言の影響もあって、生徒が遅くまで校舎に残ることがないので、校舎が静かになることも早いので、日々が飛ぶように過ぎていくように感じるのだ。

年末が来れば、もう卒業などはすぐだ。

受験の日々が飛ぶように過ぎていく内に、三年間を思い返す暇も無く卒業式が終わる。そうして、少し時間が経ってから「終わったんだな」と気づくのが、3月という時期である。

終わったと言うことに感傷に浸るまもなく、次の人事を聞いて、次年度の準備が始まり、そうして、忙しい日々を永遠と繰り返すのが、この仕事のさだめである。

4月になって新しい生徒を迎えたときに、生徒たちに「卒業生ではこんなことがあった」ということを語りながら、この慌ただしい時間を思い返すことになるのだろう。そのころは、卒業生はこちらをふり返る暇も無く、きっと新しい環境で楽しくやるだろう。

もう、年度のゴールが見えてきているなと思うのだ。

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