ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

【スポンサーリンク】

気軽な依頼であっても

f:id:s_locarno:20211012194413p:plain

ICTの利用は得意不得意があってよいのです。できる人が苦手な人をフォローすれば良いのですから。でも、そういう問題じゃないという例も……。

錦の御旗があってやっと始まる…

ICTを導入していくということの一つの目的は、これまで人力でやっていたことを機械に任せて自動化して、生産性を向上することにある。

例えば、学校にかかってくる雑多な電話のうち、Googleフォームで受け付けても問題がないものは数多くある。自転車のチェーンが外れたから遅刻するだとか、体調が悪いから欠席するだとか…そのくらいの連絡であれば、あとから時間があるときに学校から連絡すれば、忙しい時間帯に詳細を電話でやりとりする必要生は高くはないはずだ。

www.mext.go.jp

実際に、文科省の事例集の中にも緊急度が高くない連絡はフォームで受け付けるのはありだと紹介されているのだ。

f:id:s_locarno:20211012195555p:plain

https://www.mext.go.jp/content/20210330-mxt_kouhou01-100002245_1.pdfより。2021/10/12確認)

このくらいのことは、Googleフォームが利用可能になった時点で慣れている人は当然思いついていただろうに、令和になってやっと「やりましょう」と文科省が言ってくれるようになったわけだ……ここまで大義名分がないと動かない。

ついでにいうと、フォームどころか、もっと直球に

f:id:s_locarno:20211012195138p:plain

https://www.mext.go.jp/content/20210330-mxt_kouhou01-100002245_1.pdfより。2021/10/12確認)

勤務時間帯ではない時間帯には電話してくるなと言えという事例も紹介されている。実際問題、これをちゃんと言えない学校ばかり、つまりは教員の働き方や生活の質よりも保護者の都合という学校が多いのですよ……。

なお、「削減時間」の項目が1日あたりが「20分」になっているが、こんな短いわけ無いだろといいたい。おそらく、削減時間はもっと大きいだろうと思う。

そもそも、電話の応対は時間内だろうと時間外だろうと、自分の仕事を中断して電話に応対することになる。職員室にいない人は絶対に電話に出ることはないし、電話に出るだけ自分の仕事が止まる。

こうして、誰もが責任を分配して対応する仕組みはよいと思うのです。

制度は一斉に動かして意味がある

しかし、だ。

せっかく導入した仕組みであっても、きちんと自分で確認しようとしない人がいると台無しになる。

ICTだからこそ、それぞれの教員の端末で、都合の良いときに確認できるという便利なものであるのに、そういう利点を台無しにするのが、気軽に「分からないからまとめて教えて」という依頼である。

聞く方は大したことが無いと思って聞くかもしれないが、聞かれる方には余計な仕事が増えているのだ。

要するに、本来、仕事の負担を分担する仕組みであるはずの制度の導入なのに、負担をちゃんと引き受けない人がいるせいで、負担のバランスがおかしなことになるのである。

アナウンスされていることやマニュアル化されていること、そして五分くらい検索すれば分かることを延々と誰かに聞き続けるのは、やはり重々自重しなければいけないのではないかと思うのである。

もちろん、苦手な人に負担感が出ないように、GASなどで自動化できる部分は自動化すればいい。でも、最後にはどこかでちゃんと人が関わっていかないと、そもそも職場の体質の改善にはならないのだ。

その意味では、管理職なりリーダーなりの旗振りが重要なのだ。本気で働き方改革や生産性の向上を果たすのであれば、ちゃんとその「目的」を通すべきだし、そのために不便なことが最初のうちに生じてもやりきるのだということを、言って欲しいところだ。

保護者や生徒に対して、どのような言い方をするかを一般の教員は見ている。何を見て上は仕事をしているのかということには敏感なのだ。

Copyright © 2020 ならずものになろう All rights reserved.