問題演習ばかりをしていると授業をしている気がしない。
やはり、授業は何かに答えるだけではなくて、自分でゼロから何かを生み出すという場は必要だろうと思うのである。
アイデアを形にするならICT
アナログだと手先の器用さによって、アウトプットの印象に差がついてしまう。いくら器用さではなくて学びの内容や思考の深まり方を評価する……といっても、キレイにまとまっているものの方をいきおい評価しがちである。
手書き嫌い勢にとっては、何かを作れと言われても、手書きが汚いから何をやっても面白くないという気持ちはよく分かるのだ。
しかし、別にアウトプットが汚いから嫌な気持ちになってやりたくないということ、創作意欲がないというのは別の話なのだ。
だから、自分の汚い手書きにならず、思ったようなイメージを表現できる手段を手に入れられると今まで持て余していた創作意欲を発揮することが出来るのだ。だから、ICTという強力なツールを使うと、全員に等しく表現するチャンスがやってくる。
教室の中でアウトプットする動機がこれまで弱かった理由の一つに、「やっても上手くできない」ということは何割かはあったと思う。だからこそ、逆にお手軽に達成感を得られるということは強力な学びのきっかけになるだろうと期待したい。
色々なサービス
例えば、個人的に最近、授業で使うことが増えてきているのがCanvaである。
これはこのブログでもサムネイルを作るときに活用しているが、色々な素材を組み合わせてポスターを作ったりPowerPointよりもお手軽かつ豊かな表現のプレゼンテーションを作ったりできるので、本当、表現の幅が一気に広がる。
華やかなものが多いので、完成品をシェアすることもとても楽しい。
romancer.voyager.co.jp例えば、このロマンサーというサービスを使うと、簡単に電子書籍が作れてしまう。
生徒の書いたものをまとめて電子書籍にして共有したら、自分たちが本当に創作をやりとげたように感じられて、著者としての自覚が持てるのではないかと思うのである。
こうして美しい形で作品が仕上がってくると、細部にこだわろうとするモチベーションも高くなるので、結果的、学び自体も高まるのではないかと思うのである。
懸念も
お手軽にキレイなアウトプットが得られるということは、油断すると全然、学びとして深まっていないのに、見た目だけの美しさに目が奪われかねないということである。
Amazonがパワポを禁止したという話にも通じることである。
目的と手段を見失わない見識が、教員の専門性とも言えそうですね。