今週のお題「最近おもしろかった本」
この三連休は珍しく、ちゃんと三連休できます。
まあ…ちょっと前に一週間くらいまとまって休んだのですけどね…。
三連休には学会もあるので少し文化的な生活をしようと思っています。
岩波ジュニア新書を読む
中高生にちょうどよい素材を探して岩波ジュニア新書などは定期的に読んでいます。読み方としてはだいたいパラパラとみて面白そうだと思えばじっくりと読み、あまり興味が持てなければざっくりと……という感じ。
9月の発売の岩波ジュニア新書の一つはかなり面白かった。
タイトルが素っ気ないのでたぶんスルーされやすい気がするのですが、内容としては非常に魅力的でした。特に教えることを仕事にしている人には共感しやすい無いようじゃないかな?と思うのです。
ビジョナリーとしての津田梅子
周知の通り、津田梅子と言えばアメリカに留学して津田塾大学を作った女性である。歴史の教科書にも必ず紹介されているので、多くの人は名前くらいは聞いたことはあるだろう。
この本を読む前までは自分の知識もだいたいそのくらいなものだった。
だからなんとなく「えらい人がいたんだなー」くらいな呑気な感想しか持っていなかったけど、この本を読むとそんな呑気な認識を根本からひっくり返された感じがした。
津田梅子の留学に関わるエピソードや人物像についてのエピソード、ホストファミリーとの絆など、彼女の人間性が分かるような話も読んでいて面白い。しかし、それ以上に本書で面白かったのが、「日本の女子のための教育を作る」という津田梅子の強いビジョンとそのために力強く行動している姿だ。
教育に関わる人間であれば、こうした津田梅子が様々な思いを抱いて自分で学校を創る前の悪戦苦闘には強く心を打たれるように思う。
順風満帆に進んでこられたわけではないからこそ、教育にかける思いの強さと行動したという史実に頭が下がる思いがするのである。
生徒にも勧めやすい
何かやりたいことがあってそのために多くの人の助力を得ながら進んでいくという話は、生徒にも読んでもらいたいと思う。
直線的に上手くやれたのではなく、様々な苦労をしながら粘り強く挑戦したという姿から、自分も…という気持ちを持って欲しいなと思うのである。
歴史の教科書だと一行で終わってしまう説明の裏に、これだけ色々なドラマがあると知ること自体もきっと面白い。
タイトルだけを見ると固い感じがして生徒には敬遠されそうだけど、少しずつ読み進めるとだんだんと面白くなる。こういう本を必要な場面で生徒に勧められるようになりたいものだと思うのです。