最近の発売されている本は読み応えがある。
この本はページ数はそれほど多くないのにボリューム満点……!
本質に近づくほどに…
この本の書評もまた別途上げるつもりであるけど、軽く眺めていた印象を書くならば、「本当に深いことをしようとしたらシンプルにならざる得ない」ということである。
この本は評価について様々な場面を取り上げて、その方法について論じている本であるけど、繰り返し出てくる内容としては「シンプルにする」という趣旨の内容だ。「指導の評価化」に陥ることを厳しく退けているし、評価疲れで子どもの実態を見られなくなることを警告している。
だから、述べられてくる一つ一つの提案としては、だいぶシンプルになってきているような印象を受ける。
もちろん、この提案の通りにシンプルに子どもたちの学びを評価するためには、かなりの熟達の鑑識眼が必要になりそうな印象はある。
子どもの姿が見えているか
『国語を楽しく』を読んでいるので、どうしても学習評価の話を読みながらも、そのことを思い起こさざるを得ない。
この本の中での「評価」については、詳しく書いているのだけど一つだけ印象的な言葉を取り上げるのであれば「子どもをよく見ればよいのである」(P.30)という一言である。
評価って、まさにそういうことだよなぁ……と思う。
いやいや、それじゃあ、観点別評価が出来ない…!という話もあるのだけど、通知表を書くために子どもの姿を「よく見る」ことができなくなっているのでは本末転倒である。
そこまでの力みのない姿勢で授業に取り組めるだろうか。
決して「力をつけることを放棄する」こととは違う。力をつけるために子どもをよく見る。そのために不要な力みを捨てることが重要になってくるのである。