進学先が決まってくる時期である。
教え子の中にも何人かはこの苦難の時代に教育学部へ進学し、教育を志そうとする教え子たちがいる。
そういう教え子たちへと進める本がこれだ。
本ブログでも数年にわたって、何度も紹介している。
連綿と続く先達の実践に続いていく
この本を教育を志す教え子たちに「最初の一歩」として読んでもらいたいのは、教育実践という営みは直線的に生産的に進んできたのではなく、泥臭く、試行錯誤の連続であり、その時代その時代に切実に直面している課題に立ち向かっていることだと分かる。
未来へ引き継ぐ確かな実践がここにある!“名人”たちでさえ、悩みを抱え、挫折をし、それを乗り越えることで、自らを磨きあげてきた―。
書籍紹介にこういう言葉が書かれているように、上手く行った上澄みだけを並べている訳ではないのである。
教育という営みが思いつきレベルの「カイゼン」ではなく、タフな失敗と再挑戦の繰り返しであると分かる。
ぜひ、教員養成課程で、教育を、教えるということを学ぶのであれば、こういう先人たちの取り組みに「自分たちが続くのだ」という気持ちを持って欲しいと思う。また、こういう先人たちの成果が確実に今まで自分たちが受けてきた教育の中にも息づいているのだと自分の受けてきた教育の質の高さを振り返ってほしいのだ。
実際に自分で授業を考えるようになったときに、全く上手く行かないと感じたとしても、これだけの厚みのある先人たちの実践があるのだから、きっとそういう歴史が自分を助けてくれるだろうと安心できるし、自分の実践に全能感を感じるようなことがあっても冷静になる基準として機能してくれるだろう。
決して、SNSで否が応でも目に飛び込んでくるキラキラとした実践が、教育という営みの全てだと思うべきではない。
最新刊が出るそうです
先人たちの実践を俯瞰できるこのシリーズの最新作が14年ぶりに発売だそうです。
これはぜひ読みたい…!