ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

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9月の初めから総合型選抜の出願が始まるので、かなり添削が忙しくなってきている。

国語科の教員の一つの宿命として、とにかく添削物が溜まりがちである。

しかし、添削物は溜めてしまったら重さを増して自分に降りかかってくるので、とにかく早く回した方が良い。

多くの添削は通じない

自戒を込めて言っておくと、いきなり多くのことを指摘しても生徒には通じない…というかパニックを起こして、話が進まなくなるので時間をかけていきなり全部を添削しようとするのは辞めた方が良い。

1回の添削で仕上がるくらいであれば、そんな楽な話はないし、1回の添削で仕上がるくらいであれば、そもそも既にそれは完成しているという説も…。

だいたい、求められる文体で文章を書き慣れていないところからスタートとなるので、細かい内容よりも型の話から伝えることになる。

型の話をしながら内容を同時に直すのはかなり苦しいので、無茶なことをいきなり指摘するべきではないだろうと思う。

回転率を高める

そんなわけで、数回で書き直しが完成するわけでもないので、回転率を高める方向でどんどん書いてもらった方が良いのである。

書き直しの負担はあるのだけど、総合型選抜などについては結局、その後に面接があることが多いので、面接対策としても一つの事柄について何度も試行錯誤して書いておくことは意味がある。

負担感は大きいけれども、そういう入試制度で、そういう基礎学力を身につける必要があるのだから、頑張ってもらうしかない。

だからこそ、添削は溜めないで、一番、クリティカルな部分だけ指摘するようにして書き直しの回転率を高めるべきなのである。

生成AIは使えるか

生成AIを添削に使えるかどうかという問題は議論が難しい。大学によっては使うなと明示している場合もあるので、教員が使ってしまうのは倫理的に問題があるケースもあるので、注意した方が良い。

一般論として、生成AIが得意とするのは表現が分かりにくいものをすっきりと整えることや、誤字脱字の指摘である。ある意味で教員が時間を取られている部分に関して手伝ってもらうのであれば、それはそれで指導の効率が上がるのでよいかもしれない。

内容面については…これは結構、判断が難しい。

プロンプトに時間をかければ、ジャンルによってはかなり質の高い出力、教員の知識を超えた内容を出してくれるのだけど、もちろん、それをそのまま提出させるのは問題だし、そもそもプロンプトを使いこなすこと自体がおそらくまだハードルがある。

内容については、その後に面接だとかにつながっていくことを考えれば、あまりショートカットしないで、地道に調子ながら生徒と進んだ方がよい気がする。

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