ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

大人はスマホの「向こう側」を知らない

KDDIが中高生の子どもを持つ父親500人を対象にしたアンケート調査の結果を公開している。これがなかなか味わい深い。

ict-enews.net

子どもからの「塩対応」に悩む父親が約6割。メッセージを書いたのに「過干渉だと思われるかも…」と送るのをやめた経験がある父親が約4割。一方で「返事や既読があるだけで嬉しい」と感じている父親が約7割。

なんというか…お父さんたち、健気である。

お父さんたちの気持ちはわかる

「アドバイスが説教のようになってしまった」と感じた父親が2人に1人以上というのも、まあ、あるあるだよねって感じです。

よかれと思って言ったことが裏目に出る、というのは教員をやっていても日常的にある話で、アドバイスとはろくな結果にならないものである。

「父のありたい姿」として最も多かったのが「細かく口出しせず、適度な距離感で見守る親でありたい」(40.2%)というのも、試行錯誤の末にたどり着いた実感なのだろうなと思う。

ただ、この調査結果を読んでいて自分が一番感じたのは、やっぱり大人は子どものスマホの使い方を知らないんだな、ということである。

調査が「父親」に焦点を当てているのも面白い。教員として保護者面談をしていると、父親と母親では子どものスマホへの関わり方にけっこう違いがあるなと感じることが多い。

もちろん個人差はあるのだが、母親のほうが子どもとうまく距離感を保てているケースは多いように思う。

父親が「どこまで深く事情を聞いていいか」と悩んでいるという調査結果は、まさにそのあたりの難しさを表しているのだろう。思春期の子どもとのやり取りは一筋縄ではいかない。

学校で指導する側としても、ルールを決めればそれで終わりという話ではないし、子どもとの対話は常に「こちらの想定通りにはいかない」ものである。

子どもの世界は想像以上に複雑

子どもたちがスマホの中でどんな世界を生きているかについては、日経BPから出ている『スマホの中の子どもたち』をぜひ読んでほしい。

 

 

様々な同調圧力の中で、返信ひとつに気を遣う世界を、子どもたちは毎日歩いている。大人が思っている以上に、スマホの向こう側には複雑な社会がある。

お父さんたちが「見守りたい」と思う気持ちは素敵だと思う。

でも、見守るためにはまず相手の世界を知る必要がある。知らないまま見守るのは、ちょっと心もとない。

子どものスマホの使い方に関しては、正解を教えようとするのではなく、粘り強く対話を重ねて一緒に考えていくしかないのだろうなと思う。

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