
学校教育情報化推進計画の見直し案が検討されているという記事を読んだ。
2022年に策定された計画がもう見直しの段階に入っている。
生成AIやメディアリテラシーといった新しい要素が目標に加わり、GIGAスクールの「次」を見据えたフェーズに入りつつあることがうかがえる。
数字が語る現在地
ただ、見直し案に示されている具体的な指標を見ると、なかなか考えさせられるものがある。
例えば、児童生徒の特性や理解度・進捗に合わせた課題に取り組む場面で「週3回以上ICT機器を活用している学校」の割合を、2026年度中に小中学校とも80%にするという目標が掲げられている。裏を返せば、現時点ではまだそこに到達していないということだ。
GIGAスクール構想で一人一台端末が整備されてからもう数年が経つ。
ハード面の環境はかなり整ってきたはずなのに、週に3回すら使えていない学校がまだ相当数あるということになる。「次の段階」の議論が進む一方で、「そもそもの活用」がまだ道半ばという現実が見えてくる。
不登校の児童生徒へのICT活用、特別支援教育でのICT活用、外国人児童生徒への学習支援でのICT活用。
これらを2026年度中に100%にするという目標も同様である。こうした場面こそICTが力を発揮するはずなのに、目標として「100%を目指す」と掲げなければならないということは、まだそこに届いていない学校が少なくないのだろう。難しいことはよく分かるけどね。
「苦手だから使わない」は通用するのか
ここからは自分の感想なのだが、ICTの活用が進まない背景には色々な要因があるとして、その一つに「苦手だから使わない」という姿勢が比較的、許容されてきた問題があるのではないかと思う。
国語の教員であれば、古典が苦手だからといって古典の授業をやらないなどということは許されない。
教科の専門性として当然に求められるものだからだ。数学の教員が「確率が苦手なので扱いません」と言ったら大問題だろう。
ところが、ICTに関しては「パソコンが苦手で…」「自分はアナログなもので…」という言い訳が、なぜかそれなりに通ってしまう空気がある。少なくとも、教科の内容を教えないことに比べれば、ICTを使わないことへの風当たりはずいぶん弱い。
これは不思議なことだと思う。
学習指導要領には情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力として位置づけられている。法律に基づいて推進計画まで策定されている。それでもなお「苦手だから」が免罪符になり得るのは、ICTの活用がまだ教員の「専門性」の一部として十分に認識されていない気もする。
「次の段階」に進むために
見直し案が示す方向性である生成AIへの対応やメディアリテラシーの育成は、間違いなく重要だ。
しかし、「次の段階」の議論をしている傍らで、「まず使う」という段階にまだ至っていない現場があるという二重構造を、自分たちはもう少し直視した方がいいのだろうと思う。
だからこそ、「苦手」を理由にしない文化を作っていくことが、計画の数値目標を達成する以前に必要なことなのではないかと思うのである。




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