ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

U-18 AIチャンピオンシップかあ

U-18 AIチャンピオンシップ2026という大会の案内を見かけた。

ai-ueo.org

中高生対象に、AIを活用して「自分の好きを深掘り」したり、「身の回りの課題解決」のアイデアをプレゼン形式で発表するコンテストである。主催は一般社団法人教育AI活用協会(AIUEO)、全国大会は8月7日に衆議院第一議員会館で開催予定だそうだ。

AIを活用した高校生の探究発表コンテストというのは、遅かれ早かれこういうものが出てくるだろうなあ、ということは予想されていたところだ。

子どもたちが実際にこういうような形で何かをやるというのは、ありかな、と思わないでもない。

調べてみると、これ第2回目だから去年もやっていたのだなあ…。自分は全然知らなかった。

第1回は2025年10月に大阪・関西万博の会場で開かれ、フジテレビ「ノンストップ!」でも紹介されていたそうで、それなりに注目されていた取り組みのようである。

提出前にAIで自己採点、という仕掛け

個人的に面白いと思ったのは、提出前に参加者自身がAIで自分のスライドをスコアリングできる、という仕組みである。予選の書類審査に使うAIツールを無料公開するそうで、自分で資料を確認しながら手直ししていけるよう設計されているとのこと。

一通りAIを使って何か勉強をさせる、という立て付けにはなっている感じがする。予選当日のプレゼン審査自体は人間による審査100%だそうで、そのあたりのバランスも一応配慮されてはいるのだろう。

ただ、具体的なレギュレーションがどこまで詰められているのかは、現時点ではよく分からない。去年はノーチェックだったし要項はまだ出ていないので。

アイデア次第でAIの性能差をひっくり返せるようなものになっているのだろうか。高性能な高額AIに課金できるチームのほうが強くて、無課金ではやれない環境の生徒は置いていかれる…みたいなことになるのだとしたら、大会としてもあまり面白いものではないよなあ、と感じる。

現時点のAIは、どうしても課金力によって性能差が出るところがある。そこは気をつけて見ておかなければいけないポイントになるだろうと思うのである。

アイデアの出処をどう扱うか

審査基準のなかに「主体性・好き」や「新奇性・面白さ」が挙げられている。アイデアというところを評価されるのは非常に重要だろうと思う。自分の関心を深めていけているか、熱意が伝わるか、というのは、探究学習の根幹にも関わってくる。

ただ、AIと壁打ちをしていくと、自分のアイデアのようで、実はもうすでにちゃんとした先行研究があるようなものを、あたかも自分の言葉として使ってしまう、ということが起きやすい。

要するに、剽窃、パクリのようなことに陥ってしまう可能性もあるのである。

このあたりの指導も、大人がちゃんと伴走しなければ難しい大会なのだろうなあ、と思う。

出典の確認、自分の発想と既存研究の区別、引用のルール…そういう地味で手間のかかる部分を子どもたちが自力で押さえるのは、なかなか難しいのではないだろうか。

伴走者としての大人

興味を持って子どもたちに挑戦させるには、よい機会になるとは思う。自分の「好き」や問題意識を起点に、AIを使って形にしていく経験それ自体は、これからの時代に必要なものでもあるだろう。

ただ、そのためには大人の伴走が不可欠なのだろうと思っている。

課金格差の問題、剽窃の問題、発表資料の妥当性…子どもだけでは気づきにくいところを、そばにいる大人がどう支えるか。

大会の華やかさの陰で、そういう泥くさい指導がむしろ効いてくる気がするのである。

まあ、まずは中身がどんなものになるのか、様子を見てみたいところだ。

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