
今日(2026年5月1日)、Googleが「優先ソース(Preferred Sources)」機能を日本語を含むすべての言語に展開したと発表した。
米国・インドで先行導入され、英語圏に広がっていた機能が、ようやく日本でも使えるようになったのである。
機能そのものの確認
簡単にいえば、「トップニュース」枠に表示されるサイトをユーザー側で指定できる機能だ。
検索結果の星アイコンから登録するだけでいい。「信頼できないソースを除外する」のではなく、「好きなソースを上位に持ってくる」という発想で設計されている。
Googleの発表によれば、登録されたサイトのクリック率は通常の2倍に達しているらしい。世界で20万以上のサイトが既に登録されているという。
詳しい挙動はGIGAZINEの解説記事が画像付きでわかりやすい。
この設計思想は、なるほどな、と思う。アルゴリズムにすべて委ねるのではなく、ユーザー自身が情報源を選び取る余地を残す。情報の主権を取り戻したいという観点からは、肯定的に評価できる側面がある。
エコーチェンバーの懸念とどう向き合うか
とはいえ気になるのは、「自分の好みの情報ばかりに囲まれてしまう」という古典的な問題である。
Google側は「他のメディアからの情報も引き続き閲覧可能」と説明しているが、この説明はちょっと弱い気もする…。技術的に閲覧可能であることと、実際に多様な情報源に触れているかは、別の話なのだ。
自分の経験を振り返っても、検索結果の上位に同じメディアが繰り返し出てくれば、当然そこから読み始めてしまう。
まして自分が「優先」と指定したメディアなら、なおさらだろう。
教室で扱うとしたら、どうするか
これを生徒にどう伝えるか。「便利になりますよ」だけで済ませるわけにはいかないし、かといって「危険な機能だから使うな」と禁止するのも違うだろう。
授業で扱うなら、たぶん次のような問いを投げかけることになる。
「あなたはどんなメディアを『優先ソース』に登録するか」
「なぜそのメディアを選んだのか」
「逆に登録しないメディアの記事を、どうやって目にする機会を作るか」と。
結局のところ、自分が情報源をどう選んでいるかを意識化させる、ということなのである。
「ツールを使いこなすスキル」ではなく、「自分の情報行動を自分でモニターできる力」にある。優先ソースという機能は、その意識化の格好の素材になりうるのでは?
自分の使い方をどうするか
正直、自分も使うだろうと思う。
リサーチで毎日触れる学術系メディアや教育系の媒体を登録できるのは、効率の面では確かにありがたい。
ただ、定期的に登録リストを見直すことは意識したいなぁ…と思う。
一度登録したまま放置すると、気づかないうちに視野が狭くなる。半年に一度くらい、登録外のメディアをわざわざ読みに行く時間を取るような自衛策が要るかもしれない。
機能の設計が「除外」ではなく「優先」になっているのは、ある意味で誠実な選択だと思う。
だが、その誠実さが有効かどうかは、結局のところ使う側の意識次第なのである。「便利になった」と無批判に喜ぶ前に、自分が何を選んでいるのかを、ときどき立ち止まって見直したいところだ。




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