ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

継続しなければ

Vancouver Public Central Library

来週の火曜日からが考査です。あと一回、月曜日にRWをやるチャンスはありますが、それが終わると、またしばらくRWを実施するだけの時間を取るのは難しいのです…。

しかし、多くの人がいうように、やっぱり継続していないといけないんだろうなぁ…と思う。

一人で読めるようになるまでが難しい

高校二年生に対してこういう感想を持つのは、子どもたちのことをバカにしているように思われるかもしれない。

でも、実際問題、30分程度であっても一人で没頭して読むということは、慣れていないと全然できないのだと思わされる場面が多々ある。読んでいないわけではないのだけど、すぐに本を取り換えてしまったり、周りが気になってきょろきょろしていたり、すぐに友達と本について話したがったりと…。一概に悪い態度というものだけでなく、本を自分たちなりに楽しみたいので、やってしまうこともあるのが難しいところ。

注意するとか指導するとかそういう話ではなく、何がRWに必要で、自立した読み手に育てるためにどう読書と向き合ってもらうかという授業をする側の授業観というか、RWへの理解の仕方が試されているような気がする。 

www.s-locarno.com上でも書いたけど、「自分のことを自分で決める」ことがRWで一番重要なことだと自分は考えているので、「いかにして一人で読めるように育てるか」ということが気になる。 

www.s-locarno.com

そういう発想から考えていくと、やはりカンファランスで一人一人と話していくことがやっぱり重要であるなあと思う。

結構、生徒には邪魔がられるのですけど、それでも「一人で没頭できない生徒」にとっては、着実に読書の方法を伝えていく時間だよなあと思う。本の選び方、精読以外の読み方、どんなことを考えながら読むか、著者についての情報、次に読む本をどう決めるか……色々と生徒と話してみて、生徒の考え方を広げ、深められる。

数回もRWをやると、結構、このカンファランスで伝えたことの成果が見られるようになってくる。

ああ…継続しなければ……

一回目、二回目では、図書室に来られたことにテンションが上がって読書どころでなかった子どもたち*1も、3回目くらいになると、選書も早くなるし読書の仕方も精読だけに捕らわれないで自由に読め、かなり集中できるようになってくる。

でも、残念ながら、今回のRWはここで終了。やっと、自立した読書の様子が見えてきたし、本人たちも読書に対する体力がついてきた感じがするのに、ここでバッサリと終了になってしまうのはやっぱりもったいない気がする。

「一生かかっても世の中にある本を読み切れない、読むべき本や読まないほうがいい本があるのか」

こんな感想が出てきて読書について考えるようになってきてくれているのに…終了なのです。

ああ、時間の確保って難しい……。どうにかして継続的にRWをやる責任は自分にある。色々な方面から理解をもらうのは難しい……。

なお、生徒の感覚としては以前にとったアンケートだと 

www.s-locarno.com

  • 授業ではなく自分でやらなければ意味がないから、授業でリーディング・ワークショップをやるのは、この一年以上は不要
  • テスト前などはむしろ勉強したい
  • 読書だけでは模試や入試で点数が取れないのではないか
  • 進学校である以上は授業できちんと指導してほしいこともある
  • 朝読書の時間などがあればリーディング・ワークショップはいらないのでは?
  • 各人が大切さに気付けばいいから、授業でやらなくてもいいこと
  • 月1くらいのペースならいい。

などのように、決して好意的ではない、というか入試が気になって読書どころではないという気分を持っている生徒は少なからずいる。

思うことや反論できることはあるんだけど、学校としての姿勢や教育方針、そして私立である以上生徒のニーズをあまり無下にもできない。いろいろな説明の仕方はあるんだけど、たぶん、その説明でも納得しないタイプの反感というか心配であると思う。仕方ない、もう、たぶん、そういう空気の学校なのだ。悲しいけどね。あまりすぐに何かを変えようとしすぎてもダメだろうしね。

少しずつ継続しよう。

*1:自分の生徒は高校生である。念のため。

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