毎回、授業構想の時期になるとネタ切れと愚痴っている気がする。
本格的な評論にどう取り組ませようか
次の単元の評論は内山節の文章です。なかなか一本、骨太の文章に取り組んでもらうだけに、生徒の負担は大きいかなぁという気はしている。今までも似たようなものは読んだことはある(というか、ここに向けてカリキュラム組んである)のだけど、それでも思想を論じる文章に対してあまり慣れていない生徒にとっては骨が折れるだろうと思う。
教えてもらったのですが
ぼのぼの名言集(下) 「理由はないけど すごくさびしくなる時がある」 (竹書房新書)
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に地味に内山節が解説*1していて、しかも面白い(笑)。
ここで子どもたちが考えなければいけないことは、まさに自分たちが生きていかなければいけない「民主主義」という社会そのものなんだろうと思う。
テーマとしては、シルバーデモクラシー、LGBTなどのマイノリティ、子どもの貧困、生物多様性、持続可能な社会、難民や移民の問題……などなど、民主主義、個人主義が孕む矛盾に対してどのように折り合いをつけるのかということを、真剣に自分のこととして考えてもらう時期なのだろうと思っている。
自分で考えて、自分で表現する
難しいのだけど、丁寧に解説しても、結局、覚えなければいけないといけないと感じてしまったときは、頭の中から抜けるのも早い。
そして、何よりも自分の社会のことであるのに、何一つ実感を得ることなく、所与のものとして受け取らせてしまうのは、まさに現代社会の抱えている矛盾そのものである。上から与えられたものに対してどれほどの実感を持つというのか。そして、実感もなく分かった気になってしまうことの問題から目をそらしてはいけないだろうと思う。
生徒は一体、何をすればちゃんと学んだということになるのだろう。
それにはやはりたくさん読んでたくさん考えてたくさん表現しなければいけない。
ちゃんと表現したものを評価して、納得してより深く問い直してもらって……、やっぱり我慢強く、自分たちで考える時間を与えていきたいな。
ある意味、もう、何も手立てを揃えすぎないほうがよい気もしている。さて、何を目指して、どうやっていこうか。
*1:気になる方は該当部分をGoogleブックスで試し読みできます。