今日の授業で面白いことがありました。
ある意味でこれは一つの理想なのかもなぁと思ったりしました。
今は丸投げしています
今は福岡伸一の文章を読んでます。
学習課題としては読解の方略を意識的に使いこなして全体像を紙にまとめよというものを指示している。
文章の難易度はそれほど高くはないけれども、気を付けて読まなければ言い回しにひっかかる。また、言い換えが多かったり対比が多かったりということもあり、読解の方略を意識的に使って読むことでかなりよく読めるということを実感するのによい文章なのです。だから、今回の単元では少々乱暴なのだけど、「単元の最後に自分でまとめを作れ」という指示と各回で読解の方略を教えるだけという形で授業をしていました。
今日がその単元の最終日ということもあり、生徒は提出に備えて授業に臨むはず……と思いながら授業が始まるのを待っていました。
はたして、始業のチャイムがなったのでいつものようにのんべんだらりと授業を始めようと思ったのですが……
あれ?何も言ってないのだけど
授業を始めようと今日の予定を指示しようと思い、発声しようとしたのですが、ちょうどそのタイミングで生徒が勝手に作業グループを作り、さっさと学習活動に入ったのです。
自分としては「まだ、何も言ってないのだけど…」と完全に発声のタイミングを失ってしまいました(笑)
確かに、もう今日の作業は提出に向けて作業を進めるだけというものであって、自分からの説明は締め切りとレイアウトの説明くらいでした。前回の授業でも今日の続きをやるということを指示していました。
でも、まさか、自分が何かいうよりも先に授業の勝手に入るとは思わなかった(笑)
まあ、それほど彼らはLINEのグループ通話だとかを使い、凝りに凝って作品を仕上げるのが好きな子が多いのは去年からの流れですが、チャイムと同時に勝手に始めたのは今日が初めて。
生徒は学校の授業って続けることよりも始めることの方が難しい。休み時間が長いほうがいいもの(笑)それだけに定刻に何も指示もせずに勝手に授業に入ったのは凄いなぁと感じた。
自分が間抜けな顔して話すタイミングを失って立ち尽くしたのは残念ですが(笑)
やることがない私
そんな形で始まった今日の授業。自分もそうやって自由に始まったのを自分の言葉で遮ったらもったいないかなぁと思い、何も言わないでそのまま続行させた。
ちょっと気を付けて欲しいことや意識してほしいことは板書に書いてみたけど、あえてほとんど何も言わないで生徒の作業に任せてみた。
そうしたら生徒ったら自分のことを全く気に留めない(笑)。何か質問があれば呼んでくれればいいのに、全然呼んでくれない(笑)。
仕方ないので自分のほうが生徒のノートを覗いたり話し合いにツッコミを入れたりと生徒の邪魔をして回る。だって誰も構ってくれないんだもん。それに対する生徒の面倒くさそうな顔(笑)。
結局、個別にいくつかの質問を答えたり筋悪な方向に進みそうなものには訂正を入れたりしながら授業を見守っていましたが、結局、やることがなくなってしまいには生徒の脇で掃除をしてました(笑)。
いや、だって、放っておいていいかなぁと。それこそ職員室に帰っていいかなと思ったよ。
少しずつ成長しています
もともとお人好しで投げた課題に対しては前向きに取り組んでくれる子どもたちだけど、こうしてちょっとしたことではあるけど、自分で勝手に勉強できるという姿が見えてくるのは嬉しいものです。
普段からろくに挨拶もしないし何となく始めて何となく終わるような形にしているのは、勉強する気になったら勉強すればいいという自分のスタンスの現れである。まあ、上手くいかないことの方が多いんだけど(笑)。
でも、今日はまさにそれが上手くはまった感じがする。
まさかここで書いていた
- 初めから終わりまで先生が一言もしゃべらないで終わる授業
が現実のものになるなんて……(笑)
もうね、生徒が勝手にできるなら、勝手に好きなものをやればいいんだよ。そんな授業ができればいいな。