ならずものになろう

少しは教育について話してみたくなりました。書き続けて考え続けてみたい。

ならずものになろう

私学の採用の時期

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知り合いから私学の採用について聞かれた。

そうか今週末は東京の私学適性検査か。

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私学の採用は色々と運や縁が絡むから不安になるよな…と思うのである。

選べるのか選ばれるのか…

私学は異動がないので基本的に募集は人員が何かしらの理由で減らない限り行われない。だから、自分の母校で働きたいという思いを持っていたとしても、年齢的に定年がなかったり誰かが転職しなかったりすると、待っていても10年単位で募集がないということもザラにある。

私立の学校での採用を目指そうとすると、自分の行きたい学校の募集があるかどうかも分からない。結局、今、採用がある場所の試験を受けていき、希望に合致すれば勤務することになるのだろう。

私学適性検査などを受けると、学校の方からお誘いが来ることもあるが……自分の希望する条件(通勤時間・給与・待遇など…)も、なかなか運次第なのである。自分も私学適性を受けたが……たぶん、ほぼ満点を取っていると思うのだが、なかなかそこから自分の希望にあう条件の学校の採用はなかったのである。

専任になれるかどうか…

私学の場合、多くの学校は「常勤講師」という採用になると思われる。いきなり新卒で専任に採用される……というケースは多くはない気がする。

常勤講師とは要するに、「期限付きの教諭」である。たいていの場合、三年働いて、認められれば専任へ、そうでなければ次の学校へ……という建前があるが、この少子化の時代であるので、「常勤講師」から専任にする気がない採用計画の学校も少なからずある。

だから身を粉にして働いても、学校の財政状況では採用されることがない学校もあるし、自分の実力だけではなく、情報戦にもなるので……難しいところです。

精神的に考えても、常勤講師から専任への採用があるのかないのかが割とギリギリまで教えてもらえなかったりするので、辛い立場になりやすい。

こう考えると、異動はあるし臨採などもあるけど、ちゃんと合格すれば専任として安定した身分で働ける公立の方が、気持ちとしてはマシに思えるが……まあ、この辺りは隣の芝は青いという話に過ぎないか。

専任になれるかは運である

かくいう自分も今の勤務校で専任として働いているのは完全に偶然の産物である。もともと最初に受けた学校は別の学校であり、採用が決まっていたのだが色々な事情で辞退して、慌てて探して採用になったのが今の勤務校である。

常勤から専任になるときも、十年以上専任の採用がないところだったので、まあ、就活しないといけないよななんて思っていたら、たまたま味方になってくれる人が多かったので、専任の道が開けたに過ぎない。自分の後の専任の採用状況を考えると、完全に運がよかっただけである。今頃になっても常勤で渡り鳥をしていた可能性は十分にある。

専任への道があるかは「運」である。フラットに募集していることもあるが、そういう採用は恐ろしい倍率を勝ち抜くことになるので、これもまた実力が必要な上に「運」が必要である。

私学は専任になれば、基本的には異動もなく、腰を据えて学校づくりや授業づくりができるのも事実であろう。しかし、採用されるかどうかは縁と運の部分は大きい。心が落ち着かない苦しさはあるだろう。自分もいつか通ってきた道である。

運任せにしないためには

自分が採用されたのは「運」だと思っているが、少しでも運の要素に頼らないで採用を目指すのであれば、人を大切にすることなのだろうと思う。

自分はそれが尊大で出来なかった。しかし、それでも、たまたま味方になってくれる人がいたので、専任への道があった。

今から考えれば、そんな危ない橋を渡っていたら、本当、路頭に迷うぞって思う。職場を大切にできない人を専任にはできないですよね、そりゃあ。

別に雑用を買って出ろというような話ではない。常勤を使いつぶそうとする人もいるので、必要以上の雑用を押しつけられる必要はない。

ただ、一つ一つの仕事を誠実に。色々な人と一緒に仕事をすることを大切にしていく。

こういう地道な誠実さで、自分が不安定になるリスクを軽減していくことくらいしかできないのかもしれないなと思う。

私立を目指す人たちには、どうぞ心安らかに、自分の信じたことを頑張ってほしいものです。

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